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(回答先: 戦前の天皇制絶対的独裁体制日本の国内情況もこんな感じだった 投稿者 あかみそ 日時 2002 年 10 月 16 日 23:07:47)
戦時中に「この戦争は負ける」と公衆の面前で言えば、社会
道義的には殴られるのは当たり前です。一方で社会のために兵
士たちが戦地で命がけで戦い戦死までしているのに、銃後で市
民に対してそのような戦争の意味を否定するような戦闘の続行
を邪魔するような言動を行えば人から反感を買うのは当然です
。
特にあの戦争は民族とか国家の存亡がかかっている戦いとみ
なされていましたから、国民や政府が反戦的言動に厳しくのぞ
んだことはよく理解できます。何にせよ少なくとも心情として
は、戦地で社会のために兵士たちが(しばしば降伏を拒否して
)命を落とし、中には自爆攻撃をしている者たちまでいるのに
、その守られているはずの社会の内部で上記のような市民の戦
闘姿勢を妨害するような言動や反戦運動に寛容であるわけには
いかないのは当然です。戦地では敵前逃亡は銃殺ですし、軍令
違反は重大な犯罪に問われることと比較すれば殴られて顔がは
れる程度のことがおきてもおかしくはありません。
当時の常識では戦争で敗北して占領されれば、その地域の市
民やそこで捕らわれた兵士は老若男女を問わず大虐殺され女性
らしい女性は皆強姦されて男は奴隷労働者として連行されると
いうのはよくあることでした。ソ連に占領された満州ではまさ
にそうしたことが起こりました。
日本パートナーだったドイツでも似たようなことが起こりま
した。ドイツでは戦後も連合国の東西両陣営によって男は大量
に労働力として連行され生きて帰って来なかったし、(特にソ
連兵が酷かったようですが)女性は大量に強姦され性病が流行
したというような話があったと記憶しています。
戦時中アメリカは日本の一般市民を空襲で大虐殺していまし
たし、戦闘機による市民への機銃掃射を大々的に行っていまし
た。もちろん市民はそのことを知っていました。当時の日本の
市民や政府がアメリカの道徳的性質を全く信用していなかった
のは当然です。
戦後アメリカが日本人に対して一定の礼儀をもって占領して
いたのは、立派に戦ったり自爆した兵士たちが恐れられていた
ことや政府・軍が壊滅する前に戦争を終わらせたことなどから
、日本人には基本的には懐柔的姿勢で牙を抜き占領と戦後工作
を行いやすくするほうが得策だという判断もあったからではな
いでしょうか。
あの頃の日本とおなじような(国家の存亡を賭けた戦争での
敗色)状況に陥れば、戦時中のどこの国家だって似たようなこ
とが起こるはずです。戦後のアメリカだって一般市民に対して
ある程度の規模の反戦的言動をすれば逮捕されたり停学処分を
受けたりします。
だいたいきわめて特殊な状況下の過去の社会状況やそこでの
起きた個別的ケースによってその社会の体制や、さらにもっと
根本的にその社会の政治的主権や独立した独自の文明のありか
たまで否定しようとすることは絶対に間違っています。
私も皇室についての発言でぴりぴりしている環境は好きでは
ありませんが、当時の日本人の精神世界を今の立場から安易に
判断・否定することは避けたいと思います。
当時の法律にだって反戦的言動や皇室への侮辱に対して官憲
や市民はリンチを加えるべしという規定があったとは思われず
(あったってそれは当時の人たちの判断ですが)、やはりそれ
は当時の一般人の自発的意思とか社会風潮だったのだと思いま
す。
それなりの理由のある社会的制裁と不当な社会的抑圧の間の
線引きは難しいところです。私は日本人の社会的抑圧の中には
根拠のいい加減な雰囲気に支配されているような不当なものも
多いと思っていますし、今でも日本人のそうした全体的傾向は
は続いていると思っています。
しかし、そうした戦前の日本的集団的抑圧でさえ世界全体と
歴史的に比較した場合、果たして特に悪質だったと言えるでし
ょうか。戦後の左翼たちは内外をとわず戦前の日本社会を悪魔
や地獄扱いしてきましたが、彼らが集団となり組織を形作った
とき何が起きたでしょうか。彼らには共通して集団的殺人リン
チや殺し合い、意見の異なる者や反対者に対する粛清殺人の傾
向が広範に見られたのです。また、アメリカ政府は外国でいろ
いろな非人道的殺傷兵器を使用してきましたが、アメリカ人に
対してすら核実験などに関する人体実験を大勢に行ってきてい
るのです。私はアメリカニストや左翼にいちいち戦前の社会的
問題事項をあげつらってそのころの体制やら日本社会・文明自
体やその独立などを、自分たちのよってたつ立場や組織の歴史
的実態を棚に上げて非難する資格なぞないと思います。