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戦前の日本の統治体制・東アジアでのふるまいを、地に足をつけて、過不足なくしっかり吟味/批判できる者のみが、戦前日本を戦争へ誘導したアメリカ、及び、戦後の日本の体制と日本人、そして現今のアメリカ支配層を厳しく批判できるのである。
戦前の日本の体制は正しい、の一点張りの妄念で、過去のアメリカ、現在のアメリカ、これからのアメリカの向かおうとしている方向、戦後の日本を批判できるなどというのは、およそ笑止千万といほかない。原理的にも不可能だ。
日米が資本主義という経済制度を共有している以上、戦前戦後現在のアメリカの、資本主義固有の生理と論理に基づくふるまいを、極悪アメリカとして一方的に非難することができるのか。
資本主義の果実を享楽しているのは、アメリカだけではないのだ。戦前の日本も財閥が外地で内地で資本主義を享受していたではないか。戦前の足尾鉱山の公害を知らないのか。戦後、現在の日本も世界で資本主義行動を展開して、水俣病、カネミ油しょうで人間を破壊し、地球の公共財である熱帯雨林も徹底破壊した。いま中国の農家に農薬漬け野菜を作らせて、日本人に輸入販売しているのは日本の商社じゃないのか。日本人から日本の雇用を奪っているのはアメリカではなく、中国に進出して製品を作り、日本で輸入販売している日本の企業ではないのか。それは純然たる資本主義行動じゃないのか。それでアメリカを極悪と一方的にいえるのか。戦後、日本人の精神性・身体・頭脳を破壊し、日本の公共財を破壊して亡国としてきたのは、日本人自身ではなかったのか。アメリカ寄りの政策決定してきたのはアメリカ支配層から賄賂をもらってきた与党の歴代日本人ではないのか。それを理論的に支えてきた日本人知識人ではないのか。
80年代前半、8年という最長の首相在位期間、現在につづく、新自由主義路線を導入した中曽根はアメリカ人だというのか。彼は戦前の海軍主計であり支配層、そして戦後保守本流ではないか。アメリカ側といつもアメリカ大使館で直接交渉テーブルについていたのは彼らではないのか。彼がなんどアメリカに渡ってアメリカ中枢と饗宴についているのをしらないのか。支配中枢の暗黒、キッシンジャーの最大の盟友ではないか(日本側子分か)。アメリカ中央銀行と財務省に奉仕しているのは日本銀行の日本人エリートではないのか。中曽根首相在任時の西部・石原氏らの発言をしらべたことがあるのか。
アメリカを太らせ、自らも太ったのは誰なのか。太った日本人が太ったアメリカ人を批判できるというのか。太った日本人をやせてみえる日本人にアメリカを批判できるのか。よい眼鏡で視力矯正することが先決ではないのか。