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(回答先: 感想 投稿者 匿名希望 日時 2002 年 9 月 29 日 13:19:49)
＞世界が一斉に共産主義に変われば、たとえ大きな非効率が存
＞在してもある種の安定した社会が出現するのだと考えます。
＞一方、資本主義の方が全体のパイは大きくなると思います。
＞問題は勝者と敗者が発生し、富の分布が著しく偏る事です。
＞「全体のパイを大きくしつつ再配分を公正にする」難しい課
＞題ですが、これが理想だと思います。
前にも少し言及したのですが、「効率性」とか「豊かさ」に
ついてもう少し検討してみることも大切だと思います。
確かに、市場経済に強力な政治介入を行うことにより自由競
争を緩和・阻害する経済は、科学技術の生産と商品への応用、
及びそこから生じる経済・社会システムの変化を遅らせるとい
う意味で「反進歩主義」だと思います。
また、上述のような過程とある程度の計画経済によって生産
力と商業規模・所得配分を政治的にコントロールし、さらにそ
れを通じて人々の経済活動への熱意も抑制してしまうので、結
果として国民の多数に質素な暮らしを強いる傾向があるかもし
れません。
そこにこそ共産主義が持つ現代的意義があるのではないでし
ょうか。
果てしない利潤獲得への情熱と経済競争のために不断に新し
い科学技術を生産と商品に応用し続け、それが新たな経済シス
テムを生み出し、人間の生活や社会の仕組みはそうした新しい
商品や生産様式、経済システムに合わせて変化させることを強
いられ続ける。かくして人間とその社会は経済と科学技術に翻
弄され支配され続ける。
これでは、人間が物質や物理法則、その生産力への応用、生
産物、その獲得・交換のための活動、その活動のための社会的
な仕組みに支配されていることになってしまいます。こんな主
客が転倒したような人間が生活の物質面によって人間性から疎
外されているような状況が未来永劫続いてよいはずはありませ
ん。
特に科学技術が高度に発展した現代では、科学技術と人間と
の関係を一度整理し直し、今後のその関係のあり方を熟考しコ
ントロールする試みをしなければならないのです。
なぜなら、科学技術のもたらす新たな機械や仕組みが人間に
長期的な視野でどんな影響をもたらすのか、生活をより幸せに
するのか不幸にするのか、どうしたら人間が科学技術や新たな
機械をコントロールしてそれに害されたり滅ぼされたりしない
ようにできるのか、そういった問題にこれからはきちんと対処
していかなければならないからです。
自由市場経済主義とか、科学技術礼賛主義などにはこうした
問題にきちんと後手後手にならずにとりくむ内発的動機とか根
本的・有効的な対策を期待できないのです。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。