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(回答先: bakaでもわかる「あっしら」経済学 - その3 投稿者 baka 日時 2002 年 9 月 08 日 16:04:36)
前回の書き込みは退社間際に取り急ぎ書いたため、GDPに関する説明も加えようかとも思いましたが端折ってしまいました。
GDPは、Gross Domestic Productの略ですから、日本語化すれば「国内総生産」となります。GDPは、特定期間の付加価値(投入する原材料や中間財を差し引いた人件費・販売管理費・利益)の総和です。
各企業の売上(収入)から仕入費を差し引いた残りの総和とイメージすればよく、企業の活動力でどれだけ物に新たな価値を付け加えることができたかということになります。
雑ぱくな例ですが、鉄鉱石と石炭を1億円仕入れ、それらから生産した鉄鋼製品を5億円で販売できたとすれば、4億円の付加価値を生産したことになります。
(付加価値額は同じでも、付加価値4億円の内、人件費が1億円なのか2億円かによって、その企業の「労働価値」レベルが異なります。1億円で4億円の付加価値を生産できるほうが「労働価値」が高く、付加価値に占める「利益」の割合が高くなります)
類似的な指標としてはGNP(Grss National Product)があり、日本語化すれば「国民総生産」となり、ある時期(10年ほど前まで)まではGNPのほうがなじみのある指標でした。
GNPは、海外居住者を含む国民が生み出した付加価値の総和で、国内に住む外国人の所得は含まれません。
GDPは、財の生産活動だけではなく、持ち家の“借家みなし”による加算もあり、当然のこととして用役(サービス)も加算されます。
持ち家の“借家み直し”による加算は、財の生産活動の落ち込みをGDP指標的には少なく見せます。(政府が、GDP指標を高めに維持するために、地価や不動産価格を下げないようにする動機にもなります)
用役(サービス)は、財の生産活動で生じた付加価値の再分配という色合いが濃いものですから、財の生産活動に絞り込んだ付加価値の変動を重視すべきだと考えています。
(財の生産活動による付加価値が減少すれば、“手抜き”や娯楽的要素を持つ用役への需要はより多く減少します)
GDPは、国民経済総体の動きを知るために必要不可欠のデータですが、財の生産活動がベースであることを考慮しながら見ることが大事だと思っています。