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(回答先: 繊維産業と貿易摩擦について 投稿者 baka 日時 2002 年 9 月 05 日 21:14:28)
日本の繊維産業が国際競争力を失うきっかけは、米国繊維産業が日本製繊維製品の輸入増加で大きな打撃を受けているとして、田中−ニクソン会談で輸出自主規制が決められたことです。(70年頃までは繊維と鉄鋼が主要輸出品目でした)
田中内閣は、輸出自主規制で過剰になる設備を補助金を出して廃棄させました。
努力がこのような結末に至った業界が、国際競争力を高めるための技術革新意欲を持つことはありません。
この繊維問題が「日米貿易摩擦」の最初で、以降、鉄鋼→自動車→半導体が俎上にのぼり、輸出自主規制や輸入割当などのかたちで決着していきました。
汎用繊維製品は付加価値が低いので、どのみち、家電・半導体・自動車などの高付加価値製品の輸出増加の人身御供になったと思われます。
また、80年代までは2%以下の失業率でしたから、労働力という“資源”配分の側面からも、繊維製品は輸出財の地位を失った可能性もあります。
ニット編み機は欧州のブランドがこぞって買うような画期的なものを日本企業が製造していますから、日本が汎用繊維製品の国際競争力を維持できたはずです。
日本が繊維製品で国際競争力を回復するとしたら、汎用品ではなく、原価の10倍から20倍で販売できる優れたデザイナーが数多く出現したときでしょうね。
家電は問題ありませんが、自動車やメガネフレームなどデザイン性が要求される製品で国際競争力を維持するためには、優秀なデザイナーが今後ますます必要になると思っています。
(デザイン力で日本が劣っているのが気になります。メガネフレームは80%以上の世界シェアを誇っていますが、外国企業(人)の請負製造が多いため、高付加価値を手にすることができないというのが現状です)