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(回答先: 日本・日本人という自尊心の切実な防衛それ自体が目的のためのレトリックなので論理が倒錯・矛盾・破綻している。 投稿者 近代化とその戦争からわれわれは何も学んでいない 日時 2002 年 8 月 21 日 18:25:59)
「近代化」さんは女性だったのですね。
女性ならではの視点で「男の歴史」(?)の相対化が試みられているようで、興味深く拝読しました。
しかし、米政権直結の形で「ジャパン・ハンドラー」が存在するという説は、現状を少しは知る者として微笑しながら読みました。そう解釈できないこともないようなポジションの人間も米政権及びその周辺には確かにいますし、ハンティントンの著作などを読んでも「米国はローマ帝国よろしく属国群のDevide and Ruleを考えているのではないか。」という被害妄想に陥りかねないところもあります。しかし、彼らの対日戦略はそこまで系統だったものではないですよ。
ルソーとアメリカン・インディアンの話は面白かったです。
あなたからの反論について、お答えします。 「日本は、先の戦争での非をより強く認め、さらに一歩進んで戦争によらない紛争解決を世界に先駆け提唱すべきである。これが白人達が作り出した”近代”を超えるということである。パワーポリティクスの世界で無効だ、などと冷笑しているけど、やってみなきゃわかんないじゃんか。」と言うことですよね(まとめかたが悪かったらご指摘下さい)。
私はこの理想論が間違いだとは思いませんし、人類が高らかに掲げ続けるべき理念だとも思っています。今後何百年かかけてその理想郷に到達するかも知れません。思想家や運動家達はその日までたゆまぬ努力を続けて行き、それなりに時の政権にも影響力を及ぼすでしょう。しかし、これは、「書記長」氏が問題提起したレベルとは次元が異なるものと言えます。
「書記長」氏は、当時の国際関係や経緯に照らし、不偏不倒の立場から見直すと日本は”特別に”悪かったというわけでもない、にも拘わらず過去の断罪に自ら必死となるあまり大事なものを失っているのではないか、と主張しているわけで、これは非常にバランスの取れた現実的な見方だと言えます。
この現実論にあなたの理想論を無理矢理ぶつけようとすると、あなたの側も現実的にならざるを得なくなってきます。つまり、「戦争を完全否定するからには、軍隊を持つのはおかしい」と隣国から言われれば、その通りですから、まず軍隊を廃止することになります。顕在化していない領土問題でも、隣国はこれ幸いと自国の主張を押し通し始めるでしょう。他の様々な外交交渉でも押されまくりますが、妥協に妥協を重ねることになります。
一方、日本は各国代表の集まる国際舞台で高らかに演説します。「近代を乗り越えよう」と。賛意を示すのは極貧の、日本から援助が欲しい小国のみです。
こういう状況に耐えられる国民はそう多くないでしょうね。日本ただ一人が理想を唱えても仕方なく、周りも同じように意識が高まっていないとうまく行かないということです。