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今月５日、千葉県松戸市の「マブチモーター」社長、馬渕隆一さん（６９）宅で妻、悦子さん（６６）と長女の由香さん（４０）が殺害され放火された事件で、犯行時間帯に現場付近で不審な外国人の男が目撃されていたことが１５日、明らかになった。県警松戸東署捜査本部では、目撃者から詳しい事情を聴くなど、この不審な外国人に重大な関心を寄せいる。謎に包まれた白昼の惨劇が、新たな展開をみせてきた。
凄惨な事件発生から、すでに１０日。「怨恨説」や「物取り説」が渦巻くなか、有力な目撃情報が浮上した。
調べだと、現場付近の不審な外国人の男は、近所で働く男性が配達で通りかかった際に目撃。男は犯行時間帯の５日午後２時４０分ごろ、馬渕さん宅に向かって市道を歩いていたほか、同４時前にも現場近くを歩いており、目撃した男性に気づくと、顔を見られないように体の向きをかえたという。
現場付近は昼間でも人通りの少ない住宅街の路地で、配達中の男性は「見慣れない人物を同じ場所で二度も見かけるのは極めて珍しい」と話しているという。
男は年齢が２０代前半で、身長約１７０センチの中肉中背。東南アジア系の顔でやや色が黒く、ひさしが付いた紺色の帽子をかぶり、黄色のＴシャツにジーンズ姿だった。
捜査本部では、事件当時の現場付近の状況などを、この男が知っているとみて、男の行方を探している。また、目撃者の男性に、事件発生後に逮捕され、同署に拘留中の外国人の男数人が、目撃した不審人物か確認を求めるなどして調べを進めている。
これまでの調べでは、犯行時間は馬渕さんの運転手が自宅で弁当を受け取った午後２時から、馬渕さんが自宅に電話をかけ、応答がなかった同３時半ごろ、出火した同４時前に絞られている。
捜査本部に寄せられた目撃情報は、この男のほかに有力なものはほとんどないという。捜査本部では付近の道路にまで広げた立ち入り禁止区域を、１２日から社長宅敷地周囲のみに狭め、現場付近の聞き込みを改めて行い、犯行時間帯の目撃情報の収集に全力を挙げている。
捜査本部では当初、被害者の目や口に粘着テープを巻き、殺害後、油で火を付け、遺体を燃やす凄惨な手口だったことから、馬渕家や「マブチモーター」をめぐる怨恨ではないかとみて、調べを進めていた。
さらに、その後の調べで、馬渕さん宅から貴金属数点がなくなっていながら、大半の現金や貴金属が手付かずだったことが判明しており、県警でも「犯人像がなかなか絞り切れない」（捜査関係者）という。
一方、一瞬にして妻と長女の命を奪われた馬渕さんが受けた悲しみは深い。告別式の９日は、くしくも悦子さんの誕生日だった。
馬渕さんはあいさつで「悪夢のような出来事の４時間ほど前、妻が好きだったマロンケーキを予約した。そのケーキが今、供えてあります」「足を踏み入れた家で見たものは地獄。２人が苦しみもがく様子が分かり、口にはいい表せない」と無念の思いを述べた。
その馬渕さんは今、同市内にある実兄で同社名誉会長、健一さん（７９）宅に身を寄せ、「会社にほとんど姿を見せず、すっかりやつれきって、仕事も手につかない状態」（同社関係者）という。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。