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(回答先: 遺伝子操作でマウスの脳が巨大化 投稿者 kkou 日時 2002 年 7 月 22 日 12:36:45)
上の書き込みでの読売記事の紹介が内容を正確に伝えて無いように思えたので、全文を
書き込んでおきます。
しわ・溝作り大きな脳に マウスの遺伝子操作で成功
米ハーバード大チーム 知能と突然変異探る一歩
【ワシント18日=館林牧子】マウスの脳内の一つの遺伝子を操作するだけで、人間の脳
のように深いしわや溝があり、容積も大きな脳を作り出すことに米ハーバード大のチー
ムが成功した。知的能力と閲係するとされる脳のしわを増やす遺伝子を特定したのは初
めてという。
深いしわや溝を作り出すことで、ヒトなど霊長類は限られた頭がい骨の中で脳の表面積
を広げ、高度な情報処理を可能にしたとされている。今回の成果は、哺乳類の進化の過
程で、どのような遺伝子の変化が知力を生み出したのかを調べる手がかりになると期待
される。十九日発行の来科学誌サイエンスに発表する。
同大のアンジェン・チェン講師らのグループは、細胞分裂にかかわる「βカテニン」と
いう遺伝子が、脳でだけ強く働くマウスを作り、胎児の脳の様子を調べた。その結果、
この脳では、思考をつかさどる大脳皮質が特に発連。普通のマウスにはない、深いしわ
や溝が作られ、容積も通常のマウスの脳より増加。大脳皮質での細胞の密度もほぽ三倍
に増えた。遺伝子が強く働くことで、脳細胞の分裂が活発化したらしい。
ただし、胎児の段階で比較したために、通常のマウスより知的能力が高いかどうかはわ
からない。チェン講師は「人間でも、βカテニンが強く働けば、理論的には人間以上に
知能が発達した生命体が誕生する可能性もある」と話している。
知性の誕生に遺伝子から迫る研究は活発化しており、日本でも理化学研究所が、人間と
チンパンジーの遺伝情報を比較、違いが1.2%であることを突き止めている。
生物の発生に詳しい東京大学大学院総合文化研究科の浅島誠教授の話「しわや溝が多い
人間の脳までの進化の道のりの解明に向け、手がかりになる研究として興味深い」
※写真は通常のマウスの胎児の脳