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あっしらVS匿名希望への割り込みレスです。−その1 投稿者 ビルダーバーグ 日時 2002 年 10 月 04 日 14:15:30:

 あっしら氏と匿名希望氏の「近未来国際情勢予測」を巡るやりとりを読んでの印象です。ツリー構造が深くなっているので、こちらに書きます。(小生は、そう長く毎日、PCに向かっていられないので、どうしても、レスの投稿にタイムラグが生じます。早くリタイアして年金暮らしで、毎日、スレッドを相手にしていたい。−−おっとその頃は、厚生年金がなくなっているか−−。それにしても、あっしら氏の精力的な投稿には驚きますね。コンピュータソフト会社を経営している、というプロファイルを披露されていましたが、寝る間も惜しんで、あちこちの板に”出撃”されているのでしょうか。印象批評でなく、うんちくも披露されているので、こうしたデータ調べの時間も必要でしょう。仕事よりもカキコにエネルギーを注いでいるのかしら。それともストックオプションか何かで悠々自適なのかしらん)
 まず、匿名希望氏の見解について。小生を始め何人かが、「対米盲従」と野次ったのが多少、影響したのか(そうだとすれば失礼しました)「世界の秩序安定を仕切れるのは米国しかいない」という従来からの主張に加えて、「まあ、腹の立つ人は、米国を
傭兵だと考えればいいでしょう。多少、横柄なところもあるが、決して(日本には)噛み付かない」といった趣旨のことを述べておられます。(ブラックユーモアも混ぜた論述になってきたのは、こういうメディアでの流儀になじんできたせい、と思われます)。
 まあ、吉田茂以来の、戦後日本の選んだ道、つまり、「商人立国論」の現代バージョンということでしょう。現状肯定から出発しよう、という匿名氏の一貫性はうかがえますが。
 しかし、(毎回、「しかし」でやや恐縮な気もしますが)、小生は、平成大不況の原因のひとつは、ナショナルゴール、国家(国民)目標の喪失、国民統合軸のローストだ、と思っています。(つまり、心理的要因論です)。85年のプラザ合意による過剰流動性の発生と対処ミス、そして「日米構造協議」(副島氏らは、この訳語はおかしい、と言っていますが)による「日本の後進性、グローバルスタンダードになじまない日本的異質さへの攻撃」−−これがバブルの発生と崩壊のバックヤードでしょう。構造協議には「ジャパン・アズ・NO1」のハナをへし折ってやろう、という攻撃的意図もあったでしょう。
 これと裏腹に、日本側からみると、「米国の製造業をやっつけた。コンピュータ(ハード、ソフト)でも方を並べた。ロックフェラーセンター(正確には、そのホールディングカンパニーですが)も買った。コロンビア映画やユニバーサル映画も買った。さて次は何をしたらいいのか」という戸惑いが、経営トップに兆していたのも事実でするつまり、米国という目標を凌賀した(と思い込んだ)後の針路をよく考えていなかった、ということです。何しろ、80年代後半は「関東平野が世界の中心」(長谷川慶太郎)とか、「日本経済1京円」(三原淳夫)とか、「日本の総資産で米国が2回買える」とか、熱に浮かれたようなキャッチコピーが飛び交っていました。(お忘れの方も多いでしょうが、わずか十数年前の話です)。
 商人国家立国論は、現実主義、実利主義ですから、観念的、イデオロギー的、宗教的求心力は弱い。(これが圧倒的に強いのは、9.11以降の米国と、北朝鮮でしょうむ。もっとも北は、諜報網と警察的強制力による締め付けも無視できません。観念的求心力は弱いが、警察的強制力がつよいのはイラクでしょう。ナショナリズムではパワー不足なので、パレスチナとか「アラブの大義」へと必死にシフトしているのが現在のフセインでしょう。これらの国の相克がたかまっているのも、過渡期の証明かもしれません。)
 従って、繁栄が続くと、ほとんどの国民が納得する次の目標を出しにくくなります。フリーターの出現や、会社人間への批判が90年代初期に起きましたが、これも「ブローバック」の予兆だったように思います。技術開発力は、国際競争に互していくひとつのカギですんが、まじめな人の多い研究者・技術視野も、全体としては、弛緩し、R&Dのホテンシャリティも、自覚症状もないまま、スローダウンしていきます。そこへマネーゲームの手法が喧伝され、「頭脳戦で一晩で10億」汗水垂らすのは愚か者」という風潮も煽られます。
 従って、匿名氏の言うように「世界秩序の維持」なんて大変な仕事(金も軍事力も情報収集力も大変です)は、超大国であることに生きがいをかんじている某米国(SFファンがよくこういう言い方をします)にやらせて、こちらはせっせと金儲け、という路線は、ユダヤ的知恵にはみちていますが、国内の空洞化、国民の小グループへの細分化、コンセンサス形成の困難化、をふせげない、と思います。
 小泉や田中ヤッシーが、、直接、有権者に働きかける手法もデマゴキーとか衆愚政治とか、ポピュリズムとか批判されていますが、その当否はともかく、彼らの特異な資質による偶然のケースではないでしょう。「インチキでもいいから、カリスマがほしい」というニーズの表れ、とみるべきでしょう。こういう風潮はしばらく続きます。芸能人的、ハリウッド的政治家の時代、劇場政治の時代です。
 しかし、それでも中期的な国民的統合軸すら出てこない。だから、あっしら氏と匿名希望氏のディベートも起きるわけです。匿名氏のシニカルナリアリズムも基本的には「寿命の尽きた戦略哲学」のようです。(長くなったので、あっしら氏への論及は別稿にします)。

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