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BISとはよく聞くがよくわからないことが多い。
自分は、この銀行がどこにあるかも知らなかった。
日本の条件2 マネー@ 変動相場制の時代 定価1200円
著者 NHK取材班 発行者 藤根井 和夫 発行所 日本放送出版協会
P250 昭和56年初版
スイスの北北西、フランスとドイツの両国境に程近いところに、バーゼル市がある。ライン川にまたがる、何の変哲もない田舎町だが、金融界の人々の間では、つとに有名な町である。
というのも、バーゼルには、BIS=国際決済銀行があるためだ。古臭い鉄道のバーゼル駅から北へ200メートルあまり歩くと、突如として円筒形の近代的な高層ビルディングが目に飛び込んでくる、これがBIS=国際決済銀行だ。
1930年に、ヨーロッパの中央銀行総裁たちの情報交換の場として発足したBISは、その後、対象を世界的規模に広げ、いまは、アメリカ、日本、カナダ、等、世界各地の中央銀行総裁たちが集う国際機関に発展している。
このBISの活動の中で、もっとも注目され、かつ重要なのが、毎月、第二月曜日に総裁たちが集まって開催される月例会議だ。
重要な会議だからといっても、BIS50年の歴史の中で、何か具体的な事柄が決議されたことがない。
この会議では、各国の中央銀行総裁が、自国の金融、経済情勢について報告するだけで、その後は、もっぱら自由に意見交換するのに時間を費やすのだ。
とは言うものの、本当はここで何が話されたのか、外部のものにはまったく分からない。なぜなら、会議の内容について議事録はとられておらず、記録というものがいっさい残されていないからだ。
私たちNHK取材班は、日本銀行を通じてBISと交渉してもらった結果、世界でも初めてBISの内部撮影を許されたが、取材上の制限は驚くほどきびかった。
廊下の壁に日本の絵がかけられていたので、それを撮影したいと申し出たところ、その絵を取ることを許されたが、どこの場所に掛けられているのか説明するために、廊下の撮影をしようとしたら即座に拒否されてしまった。