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(回答先: いい加減恥ずかしくないか?読者 投稿者 読者には灯油もガソリンも電気もガスも使う資格はない 日時 2002 年 11 月 02 日 15:02:35)
16投稿者:読者 投稿日:07月30日(日)01時28分00秒
雑誌の自販機って、あの昼間マジックミラーみたいになっていて
中がゼンゼン見えないくせに夜中になるとやたら明るくなって、
蛾とかヤブとかぶんぶんたかっている所に、やにわに自転車が
走り去って行く。あたりは静かに寝静まり、近くのうちのクーラーの
室外機の音が響くだけ。
と、自転車は突然きびすを返し、まるで光に吸い寄せられるように
自販機に近づく、男はまだ子供のようだ、Tシャツにしわじみたスラックス
目は心なしか血走っている。
辺りをうかがうかのように自販機に近づくと、ずっと手に握っていたのだろう
100円玉を自販機に2枚、3枚と投げ入れた。
ちょっと自販機に並べられた表紙を見て選んでいるようだが、
やがて心を決めるとその雑誌のボタンを押す、ガシャ、ガチャ
と乾いた機械の音が、それでも夜の帳に響くと、そのたびに
男は心臓が口から飛び出しそうに上体を振るわせた。
永遠とも思える時間、雑誌が自販機の販売口に落ちると、
光よりも早く男は雑誌を引きぬき、自転車を走らせた。
Tシャツのなかに雑誌を隠し、乾いた唇をなめた。
ってあの、自販機?