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国家公務員:
1種試験内定に私立大の不満続出 常連校が独占
今年度の国家公務員1種試験(行政、法律、経済)の合格者が前年度より3割増えたのに、採用内定者が前年度並みにとどまり、出身者の大学数も前年度と同じ25校だったことに、私立大学などの不満が高まっている。多様な大学にキャリア官僚の道を開く改革だったが、合格しながら採用されなかった者も400人を超え、内定者数の上位も東大など「常連」大学が独占する構図は相変わらず。内定率の低い大学は「しょせんはOBの有無で採用が左右されている」と不透明な選考過程を批判する声が大きい。
人事院が行う1種試験は筆記による1次、面接、論文による2次試験で合格者が決まる。1次通過者は2次試験前に希望する省庁を訪問。ほとんどの省庁はこの段階で採用したい受験者を選び、「内々定」を出す。2次試験合格後に「内定」となる。
政府の行政改革推進本部は昨年6月、「門戸を広く開放し、多様な人材を集める」目的で合格者を増やすことを決定。今年度は、前年度より176人多い697人が合格し、出身校も前年度の41校から58校に拡大した。
しかし、採用数は290人と前年より25人多いだけだったため、407人が不採用となった。採用内定者で多いのは東京大(145人)以下、慶応、早稲田、京都の順で、上位10校のうち慶応以外は前年より増えた。
一方で複数の合格者を出した明治、岡山、広島、埼玉、青山学院など33校が内定者ゼロ。特に関東以外の私立大では内定率が11.4%と平均(41.6%)を大きく下回り、地域間格差も顕著になっている。人事院幹部は「制度見直しが、OBの多い一部の大学に内定者が集中することを促した」と認める。
今年度、合格者12人中1人しか内定しなかった上智大の職業指導部は「なぜ不採用者がこんなに多いのか疑問。採用制度はオープンでフェアにすべきだ」と訴える。
政府は来年度、さらに採用枠の4倍まで合格者を増やす方針で、採用者を今年並みに抑えれば、約870人の不採用者が生まれる計算。明治大就職課は「省庁面接では大学にかかわらず公平に機会を与えるべきだ。難関の試験に受かっても採用されない学生が増えると、あきらめムードが広がり、受験を敬遠する」と懸念する。行革推進事務局は「内定決定が不透明だという声が強いことは承知している。今後、省庁訪問の見直しなど、是正を目指し人事院と調整していく」と話している。 【宮澤勲】
【1種内定者数・文系02年度】
カッコ内は前年度
1 東京大 145(133)
2 慶応大 29 (33)
3 早稲田大 27 (23)
3 京都大 27 (26)
5 一橋大 18 (13)
6 東北大 7 (1)
7 大阪大 5 (3)
8 中央大 4 (2)
8 立命館大 4 (2)
10 神戸大 3 (2)
[毎日新聞11月6日] ( 2002-11-06-23:41 )