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(回答先: その結果が東京大空襲であり、広島長崎の原爆である。 投稿者 憂國者その1 日時 2002 年 10 月 30 日 04:21:52)
僕は少々違った見方をしている。日本が反省するとすれば、当時、バランス感覚に欠ける連中に力を与えてしまったことだと思っている。そのため、余りにも簡単に列強の敷いたレールに乗っかり突っ走ってしまった。
今次大戦以前のアジアは列強の植民地と化しており、臨海部を制し終え内陸の権益確保に掛かろうとしている情勢にあった。その当時、地理的に離れたヨーロッパやアメリカから見ると陸続きで侵略しやすい立場にあるロシアの動きが目障りであったろう。
そこにノモンハン事件が起き、列強はこれを利用してロシアの勝手な動きをけん制しようとした、そのため、日本はギリギリのお情けで「勝ちの立場」を確保させて貰ったが、同時にそれまで列強の思いのままに料理できていたアジアに動乱の種火が付けられたのである。
そして第一次大戦が起き、日本はまたしても「南方信託統治領」を難なく獲得できる幸運に恵まれたのである。
しかし、その後の日本の動きは列強の神経を逆撫でするものであった。あろうことか、アジアのブロック化を目指して日本が動き出したものだから、列強としては自己の植民地の権益を確保するために動き出さねばならなかった。東洋の国が主導して今のECのような仕組みを作り上げようとしたものだから、真正面から列強の権益と衝突する。
列強の工作は、植民地として事実上支配している国の政府に対して「日本の侵略を説く」形で行われたものと思われる。その結果、なかなか進展しない状況にいらだった軍部が独走を始めたのだと考えている。このあたりの、自己の思い込みだけで行動を起こした軍部のバランス感覚の欠如が問題なのだ。このあたりは反省に値する。国益だけを考えるならばもっと他の選択肢があったはずである。
しかし当時の将校連中の頭には、経済的な利益だけではなく、列強の植民地とされて蹂躙されているアジアを何とかしなければと言う信念があったはずだ。しかし国際的なバランス感覚に欠けていたため、このような動きが列強に与える衝撃と対応行動を読み誤り、敗戦にまで突っ走ってしまったと考えている。
ところで、ここで考慮しなければならないことは、日本の過ちが無かったら今のアジアはどんな状態になっていたかと言うことだと思う。おそらく列強の植民地化はますます強化されて、多分、今頃独立戦争を戦っている、アフリカと同じような状況に置かれていたのではないかと思っている。
このように考えると、わが国の不幸は作戦を誤った点にこそあれ、動きとしてはそんなにも道を外れたものとは考えられないのではなかろうか。開戦の動機もドイツやイタリアとは別なものであったはずだ。
外交交渉に長けた列強は、軽率な日本を料理するため手を変え品を変えて戦争へのレールを敷き、またまた軽率にも日本はそれに乗っかってしまったのだと考えている。
その結果は、ご指摘の通りである。しかし、考えてみれば、後年に必ず生起するはずのアジアの独立のための戦乱を先取りしたようなもので、アジア諸国にとっては、比較的小さな損失で独立が転がり込んで来たのであるから、アジア全体としては損失は無かったものと考えることも可能なのではないか。というのが、僕の基本的な立場。
同じような状況が、現在、世界の各地で起きてますね。
アフガンに対してもそうであったし、今、アメリカは同じような口実でイスラム圏に戦争を仕掛けようとしている。
日本が学ばなければならぬ事は、もっと冷徹な悪人になれと言うことではないか。そのためには利益を「区分所有する」大人の感覚が必要なのだと思う。
国益を考えるならば、正義感はむしろ「悪」なのだ。
外国人は失敗しても、「今回は失敗したが次はもっと上手くやろうぜ」と考えるのだろう。わが国も、マゾ的な反省ばかりをするのではなく、このあたりのタフさを学ぶべきなのだ。