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奈良県農業振興課は十八日、天理市の種苗業者「大和農園種苗部」が、同県が独自に
育成したイチゴ品種「アスカルビー」の苗を、県との契約に反して韓国と中国に不正
輸出していたとして、苗をすべて廃棄させたと発表した。
同課によると、同社は今年四月、品種の利用契約で国内だけでの生産が義務付けら
れている「アスカルビー」の苗を安く増殖するため、韓国と中国の企業に計二百五十
株を輸出したという。
「アスカルビー」は二○○○年、同県が独自に開発。品種開発者の保護を定めた種
苗法に基づき、大和農園種苗部が所属する業界団体と利用契約を結んでいた。
同社は不正輸出を認め、増やした計約七千株を委託先から買い取って、現地で焼却
処分したという。
■解説/国内産地脅かす行為
本来育成者権を守るべき立場にある種苗業者が、種苗法に違反することは言語道断
だ。まずそのことを指摘したい。
その上で問題となってくるのは、この契約違反が、韓国、中国で際限なく「アスカ
ルビー」の栽培を拡大させ、その後、低価格のイチゴが日本に輸出される可能性があ
ることだ。栄養繁殖性のイチゴの苗は、簡単に増殖できてしまう。
その事態を懸念させる事件が既に起きている。愛媛県の農家が育種したイチゴ「レ
ッドパール」。韓国の特定の農家に苗を増殖、販売する契約を結んだが、その後韓国
内で、契約を超えて栽培が広がり、日本へも大量に輸出されたことが問題となってい
る。利益だけを追求し、安易に海外で栽培することは、結局は安いイチゴの輸入を促
す結果を招く。国内の産地を脅かす背反行為だ。
日本農業新聞
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/back/news/topnews/topnews02021019.html