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【ベルリン15日=宮明敬】稼働から32年で順次廃止するとした2000年6月のドイツの原発廃止合意に基づき、今年末に廃止原発第1号になるはずだったオーブリッヒハイム原発(独南西部バーデン・ビュルテンベルク州)の稼働期間が14日、さらに2年延長されることが決まった。同原発経営者から5年半の稼働延長要請を受けたシュレーダー首相(社民党)が、連立与党の緑の党に「2年延長」をのませた結果で、環境保護団体や緑の党の内部から、「原発廃止合意を骨抜きにするもの」との批判が出ている。
原発廃止合意では、全19基の原発の1基ごとの総電力生産量が決められ、総量を生産し終えると廃止されるのが原則。ただ、古い原発を早めに廃止すれば、残った許容生産量を新しい原発に上積みして、その稼働期間を延ばせる「柔軟措置」も盛り込まれていた。
だが、今回は、比較的新しい原発の発電総量を減らして、オーブリッヒハイム原発の寿命を延ばした。しかも、同原発は、原子炉の緊急冷却システムの不備を10年間隠して運転を続けるなど、安全性にも疑問が投げかけられている。
トリッティン環境相ら緑の党の幹部がこの例外措置を認めたのは、社民党から「反対すれば、(保守政党、キリスト教民主・社会同盟との)大連立も考える」と迫られたためと伝えられる。(読売新聞)
[10月15日20時6分更新]