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(回答先: どうなる!世界!!地球 投稿者 誓界 日時 2002 年 8 月 17 日 14:44:24)
2002年5月11日 2:00am PDT 本記事は科学研究の最先端特集として再編集されたものです。本記事の初出は2002年5月14日です。
あるコンピューター通が開発した反重力装置が、現在見慣れている世界をやがて変えてしまうかもしれない。
あるいは、納屋の屋根にいくつか穴を開けるだけで終わるのかもしれない。
この装置は「リフター」と呼ばれている。電力を与えると空中に浮かび、地球の重力に逆らっているように見える。
今のところこの装置は、自身を浮揚させることしかできない。しかし、ティム・ベンチュラ氏をはじめとする開発者たちは、電流を、飛行機や列車や宇宙船などを持ち上げる力に変換する研究に取り組んでいる。それが可能であることを証明できれば、リフターを動かす技術を発展させて、宇宙を探索する能力を高めたり、地球上での化石燃料の使用を大幅に削減したりできるかもしれない。
しかし、科学界の本流の研究者たちは、リフターの開発者たちがなぜ自作の装置を独立した検証に委ねようとしないのか、不審に思っている。このような疑念が、リフター開発者たちの間に広がる奇妙な伝説とあいまって、科学界でのリフターの評価を損ねている。
しかし、リフターの開発者たちと本流の科学者たちは、ある一点では意見の一致をみている――宇宙の仕組みに関する奇妙な理論は、どのようなものでも研究する価値があるということだ。
米航空宇宙局(NASA)の『革新的推進物理計画』(Breakthrough Propulsion Physics Project)が研究する最先端理論は、一見したところ、リフターよりもさらに合理性からかけ離れているように思える。現在取り組んでいるのは、時空を操作する方法――平たく言えば、タイムトラベル――を含むさまざまなプロジェクトだ。
「主要な科学的革新はすべて、最初に登場したときは冷笑された」と語るのは、革新的推進物理計画に参加している研究者のマーク・ミリス氏。「前進するためには、科学者たちは不可能と思われることを探究する必要がある」
リフターの技術はまだ「可能」だと証明されておらず、いまだ好事家の趣味にすぎない。しかし開発者たちは、日を追うごとに証明に近づいていると主張する。
米AT&Tワイヤレス・サービス社のUNIXプログラマーであるベンチュラ氏は、余暇にリフターを製作した。装置に使用したのは、バルサ材とアルミホイル、そして30ゲージのマグネットワイヤーだ。
ベンチュラ氏のリフターは、三角形の複数のフレームでできていて、一見すると下手な芸術作品のようだ。
しかし電源に接続すると、リフターは突然浮かび上がり、地面と結ばれた綱の許す範囲内で空中を浮遊する。
ベンチュラ氏は、リフターに電力を供給するのに、米コンパックコンピュータ社製コンピューターの古いディスプレーを使っている。リフターからは2本のワイヤーが出ている。1本は高圧タップ経由でディスプレーのブラウン管に接続された(PDFファイル)陽極の電源リード線で、電力をディスプレー装置からリフターに送る。もう1本は、やはりディスプレーに接続されたアース線だ。
リフターは、通常の推進手段を使わずに実際に浮揚し、空中を舞っているように見える(動画)。しかし問題は、誰もその理屈をはっきりとは理解していないということだ。
開発者の中には、電気がリフターの表面の電子を刺激して推進力を生むのだと考える者もいる。その他にも、リフター周辺の空気にイオン風の流れまたは電磁気の乱れが生じるといった理論も示されているが、科学的な検証はほとんど行なわれていない。
「私の知る限り、少なくとも4つのグループが(リフター技術を)研究している。どのグループも、自分たちの観察結果や手法に関してピアレビューを経た厳密な論文をまだ発表していない」とミリス氏。「リフターの製作者たちが科学の標準的な手続きに関心を払わないために、この研究テーマの評価が損なわれ、未知の分野の確かな解明へ向けた前進を妨げている」
ミリス氏を喜ばせたのは、最近米国議会が、リフター技術の科学的研究に資金を拠出すると決定したことだ。この研究は今年の夏、『ソフトウェア研究所』(Institute for Software Research, Inc.)で実施される。
ベンチュラ氏は、自分の研究を科学的に審査してもらうことを考えたとは言うが、それは「私の最優先事項ではない」そうだ。しかしベンチュラ氏は、近々プリンストン大学のプラズマ物理学者たちのプロジェクトと協力して研究を行なうかもしれないと話す。
ミリス氏は、「今度行なわれる研究からどんな結果が出ても受け入れる。リフターが実際に機能するにせよ、しないにせよ、証明できれば同じように価値がある。今のところ、リフターに関して言われていることは俗信のようなものにすぎない」と述べている。
ベンチュラ氏は、リフターの開発者たちが奇妙なおとぎ話を語ることをあっさり認める。
その1つは、リフターのアイディアは、ニューメキシコ州ロズウェルに墜落したUFOの破片から生まれたというもの。1996年に、ラジオのトーク番組の司会者、アート・ベル氏に宛てて、誰かわからない人物から、大破したUFOの残骸だという小包が送られてきた。
ベル氏は破片を政府のある研究者に送った。この研究者が行なった調査では、残骸に電圧をかけると、動いたり、場合によってはリフターと同じように宙に浮かんだりすることが示されたという。
そのため、リフターの開発者の中には、自分たちの装置はUFOをモデルにしたものだと考えている者がいるのだ。
「発明者として、この技術のアイディアが墜落したUFOから生まれたものかどうかなど、私は少しも気にしていない」とベンチュラ氏は語る。「本当に本心から言うが、私はいわゆる『信者』などではない」
ベンチュラ氏は、リフターをめぐるもう1つの伝説、『グラビティー・キャパシター』(重力保存装置)の話にも懐疑的だ。
グラビティー・キャパシターは、現在のリフター技術の真の前身だと一部で言われている。これは1930年代に17歳の少年が『フィゾーのコンデンサー』(一種のエネルギー保存装置)の改造版を作ろうとして、偶然できたものだと噂されている。意図せずして、重力を電気でコントロールする方法を発見したというのだ。
少年がアルミホイルとパラフィン紙でできた装置をT型フォードのイグニッション・コイルに接続すると、装置は即座に猛スピードで浮かび上がり、納屋の屋根に煙を立てる穴を1つ残して消え去ったという。
ベンチュラ氏は、このような自滅的な性質をもつ装置は、重力研究用の実験装置としてはあまり理想的ではないと皮肉っぽく付け加えた。
「アルミホイルとパラフィン紙を6時間かけて切り刻んだあげく、3秒間の煙しか得られないのでは、割が合わない」