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2・26事件の未公開映像 3日後か、市民が撮影 投稿者 倉田佳典 日時 2002 年 8 月 12 日 18:35:43:

08/12 16:09 2・26事件の未公開映像 3日後か、市民が撮影  社会49
共同
 軍部が政治介入を強めるきっかけとなった一九三六(昭和十一)
年の「二・二六事件」の発生後、東京・永田町周辺を慌ただしく駆
け抜ける戦車や装甲車、兵隊などの様子を撮影した未公開の16ミ
リフィルムが、東京の民家に保管されていたことが十二日分かった
。                             
 パッケージに「昭和十一年二月二十六日大事件―二十九日ニ写ス
」との記述があり、発生三日後に反乱軍が投降した二十九日の映像
とみられる。当時、家庭用の撮影機は高級品で普及しておらず、市
民の目で事件を撮影した貴重な映像。             
 保管していたのは、東京都港区在住の専門学校長、村上謙吉さん
(76)。                         
 村上さんによると、フィルムはイーストマン・コダック社(米国
)製。事件当時、特殊塗料会社を経営していた父親の源七さん(六
四年、七十八歳で死去)が撮影した。             
 約二分三十秒撮影され、編集時のミスで一部は左右逆の裏返しだ
が、連続した映像になっている。場所は当時村上さんが住んでいた
四谷から、赤坂、永田町までの約一・五キロ。赤坂御用地と弁慶堀
に挟まれた「紀伊国坂」や「山王ホテル」などが撮影されている。
 戦車や装甲車、機関銃を備えたトラックが走行しているほか、軍
用機が飛び、機関銃を四人がかりで担いだり、軍用犬を連れた兵隊
が往来するなど、戒厳令の発令で緊迫する軍部の様子が伝わってく
る。                            
 当時は治安維持法の影響で撮影規制が厳しく、フィルムを見た親
類が源七さんに「よく特高(特別高等警察)が制止しなかった。ず
いぶん大胆だな」と驚いていたという。            
 村上さんは「父が事件前年の秋に撮影機を購入したり、事件の舞
台に近い場所に住んでいたなど幸運が重なった。貴重なフィルムを
残したと思う」と話している。                
(了)  020812 1608              
[2002-08-12-16:09]
08/12 16:09 2・26事件とは  社会51

 2・26事件 1936(昭和11)年2月26日未明、陸軍の
青年将校ら約1400人が「昭和維新」を唱え首相官邸などを襲撃
。高橋是清蔵相や斎藤実内相ら政府要人を殺害し、東京・永田町一
帯を占拠した事件。戒厳令が敷かれ、29日に鎮圧された。軍法会
議で将校と右翼思想家北一輝ら計19人が死刑になったが、その後
も戒厳令は解除されず、軍部が国政の主導権を掌握するきっかけに
なった。                          
(了)  020812 1608              
[2002-08-12-16:09]
08/12 16:09 歴史的考証に耐えうる  社会50

 厚生労働省・昭和館の戸高一成図書情報部長の話 市民が撮影し
た二・二六事件の映像は珍しく、東京大空襲などの戦火をくぐり抜
けたのも奇跡的だ。画像も鮮明で生々しく、飛行機や車両の種類、
下士官の顔でどの部隊が動員されたのかなど、一つ一つが歴史的考
証に耐え得る。撮影者や場所、所有者などがはっきりしている意味
でも貴重な資料だ。                     
(了)  020812 1608              
[2002-08-12-16:09]

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