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街に防犯カメラが増えている。昨年6月の大教大付属池田小の児童殺傷事件など凶悪犯罪が起こるたびに、学校や街角で防犯カメラ設置に拍車がかかる。コンビニエンスストアなどでは、万引防止のカメラは日常風景となった。カメラ設置の背景には「監視されることへの抵抗感」から「安全な生活には必要」との意識の変化もある。
■設置進む学校
「池田小の事件が起きてから学校関係への販売台数は増えている」。映像機器メーカー「エルモ社」(名古屋市)の担当者は話す。事件を機に文部科学省は通達を出し、学校は防犯用のカメラやベルの設置を急いでいる。名古屋市内では昨年9月までに、公立の小・中学校368校のうち74校が防犯カメラを付けた。
児童殺傷事件があった池田市では今年度、約1000万円をかけて、市立小・中学校11校のうち8校に防犯カメラが設置された。正門のオートロックに連動しており、校内に立ち入る人が、不審者でないかどうかを職員室のモニターで確認できるようにしている。
■抑止力
街角に目を移しても防犯カメラが目につく。書店やコンビニでは、万引対策に早くから防犯カメラを設置してきた。ある高級ブランド店も数年前から防犯カメラを備えている。ブランドのイメージには合わないが、店内が顧客でいっぱいになるときの万引対策にかかせないという。
期待されているのは、その抑止力。東京の大手メーカー関係者は「1つのコンビニには5台前後を設置しているが、半数近くが撮影機能のないダミーの店もある」と内情を明かす。
■成長市場
調査会社「富士経済」(東京)によると、防犯カメラを中心にした画像セキュリティー機器市場は1300億円にのぼり、2年後には1600億円に拡大するという。
地下鉄サリン事件など凶悪事件の度に売り上げは増加しており、メーカー関係者は「モノがモノだけに大きな声ではいえないけど」。平成10年には1000億円に満たなかった市場が、日本経済が低迷するなか、右肩上がりの成長を見せている。
しかし、街のいたるところに防犯カメラが設置されている状況を「監視社会」と批判する声もある。警視庁が東京・新宿歌舞伎町で防犯カメラ50台を設置したことや、大阪府警が西成区内にカメラを設置したことは物議をかもした。
学校の防犯カメラについて、大阪府池田市の主婦(42)は「カメラがあるから安心できるわけではない。それで解決するものではないし…」。一方、森武夫・専修大名誉教授は「カメラがあることを認識して行動する人も多く、善良な市民にとっては、それほど問題ないのでは」と話した。