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(回答先: トウガラシの韓国、ワサビの日本 投稿者 非道潜始 伊-HEXA号 日時 2002 年 6 月 28 日 01:22:09)
は〜、最近ではダイエット用ですか。それで切れやすくなるのかな?(アドレナリンは興奮作用)
http://www.nichimapress.com/seikatujutu/chili.html
「激辛チリのウイルス退治メカニック 」
マレーシアの食生活に欠かせない食材である“チリ”はトウガラシの一種のさやだ。
トウガラシ入りの食品を食べると顔面や頭皮に血が集まるような感じがして、汗をかいたりする。これはトウガラシの辛味成分であるカプサイシンが末梢の感覚神経を刺激して視底部分の温反応性ニューロンを興奮させる。そして皮膚に向かう交換神経を介してアセチルコリンが分泌されて、汗腺が刺激される。その結果、発汗作用、エネルギー代謝、新陳代謝が活発化するからだ。さらに、カプサイシンは副腎髄質に行く交換神経を刺激してアドレナリン(筋肉を収縮、弛緩させるホルモン)やノルアドレナリン(神経伝達物質)の分泌を促す。その結果、元気がでる。とまあ、いいことずくめなのだが、さらに、けっして清潔とはいえないレストランや屋台で食事をするときには、食中毒に負けない心強い味方ともなる。
「好中球の遊走能が活発に 」
人間の血液中にある白血球は体内に侵入した細菌やウイルスなど異物を取り込んで消化する働きがある。白血球は形態の違いを基に顆粒菌、マスト細胞、形質細胞、単球、リンパ球に分けられる。顆粒菌は染色体によって好中球、好塩基球、好酸球に分類される。このうち好中球は全白血球の55〜65%を占める。この好中球こそが偽足をだして細菌やウイルスを取り込み、消化してしまう、人体にとって貢献度のひじょうに高い存在なのだ。つまり好中球の遊走能が活発であればあるほど、細菌やウイルスの侵入を阻止する能力が高いということだ。
一般的には低栄養、つまり、やせすぎの人、逆に肥満体の人、そして、肝硬変、尿毒症、糖尿病、糸状体腎炎、アルコール依存症などの患者、人工透析をしている患者などは好中球の遊走能が低く、その結果として細菌やウイルスなどに弱いということになる。ふつうに健康な人の遊走能の30%程度だという。
ところが、遊走能が低い人であっても激辛ラーメンや激辛キムチ、激辛明太子などトウガラシ入り食品を食べると、遊走能が飛躍的に上昇する。激辛明太子50gを食べた人を15時間後に測定したら、トウガラシ抜きの食事をしたあとよりも遊走能は2.5〜3倍になったという。
「激辛食品は生活の知恵 」
東南アジアの食事に中に激辛食品が多いのには、長い間の経験に基づいた生活の知恵なのだろう。トウガラシを食べれば汗をかき、そして、血がたぎる。適度の運動をしたのと同じ程度の効果を得ることになる。そして、食中毒や風邪など、細菌やウイルスによって起こる感染症を撃退してくれる。
もちろん、トウガラシとて万能ではない。「だから、激辛のタイ料理を食べたのに……」とお腹をおさえながら言われても、その時々の体調によってはトウガラシよりも細菌やウイルスの方が勢力が強い場合だってある。もちろん、不潔度の高い調理人や調理場には、正義の味方も刀折れ矢尽きてしまうかも知れない。
「いいことばかりでは…… 」
いいことばかりではなく、活性化した好中球などは、活性酸素やプロテアーゼ(タンパク分解酵素)を放出して、正常な細胞や結合組織を無差別に痛めつけることがある。したがって、心筋梗塞や脳閉塞などの循環器障害や、異粘膜に障害のある人は激辛食品の食べすぎには要注意だ。
(小学館発行:『SAPIO』溝口敦・文「あぶない食品物語」を参考にしました。)