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資源エネルギー庁の外郭団体「財団法人電源地域振興センター」(東京都港区)が、原子力発電所の周辺地域の住民らに給付される原子力立地給付金の受け取りを拒否した人のリストを、電力会社から受け取り、立地自治体に提供していたことが分かった。拒否者の情報は給付事務を受託している各電力会社が毎年、同センターに報告しているもの。個人の思想信条にかかわる情報が含まれているケースもあった。
原子力立地給付金は、国が原発立地や隣接の15道県の住民や企業に給付するもの。01年度は計約216億円で、電気料金を割り引く形で交付されている。給付事務を受託している各電力会社が、給付時期に合わせて毎年、受け取りの実績を同センターに報告。同センターが原発立地県などに渡していた。
島根県が受け取っていたのは「給付金受領辞退のお客様一覧表」「原子力立地給付金受領拒否のお客さま受付票」「受領辞退申出書」の3種類。お客さま受付票には「原子力発電所に対する思想信条による拒否ではない様子」などと書かれていた。
3種類の資料は、原発立地周辺自治体である松江市で給付金の給付が始まった94年度ごろから、県が給付金の額を確定させ、給付実績を国へ報告するための資料として、センターに依頼し受け取っていた。給付金の辞退は松江市で10件だった。
県土地資源対策課の槙原保課長は「外部には一切流していない。個人情報保護の問題もあり、ここまでの資料は必要ないので、今後は見直しを検討したい」と話している。
また、茨城県では、原発給付金の支給状況を確認する参考資料として毎年3月末、名前と住所、口座番号を載せたリストが、同センターから届けられていた。00年度に転居などで給付できなかった不交付契約者74人のうち、受け取り拒否が理由だったのは2人。リストにはそれぞれ「(99年の)JCO臨界事故の関係で」「来年度から受け取りを拒否」などと付記されていた。01年度は新たな拒否者はいなかった。このほか、北海道や青森、宮城、新潟、福島の各県でも給付辞退者が掲載されたリストを受け取っていた。
同センターの長洲孝勝給付金課長は「電力会社が持ってきたリストを、県が必要と言うから渡していただけ。数字の裏付けとして渡していただけで個人情報としての認識はなかった」と話している。(毎日新聞)
[6月27日12時50分更新]