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ウラン残土約3000立方メートルが鳥取県で放置されたままになっている。
それで撤去する裁判が起こされ、その判決が下った。
判決では核燃料サイクルの有罪が確定し、ただちにウラン残土を撤去するように判決命令が下った。
核燃料サイクル機構(旧動燃)は、鳥取県のウラン鉱山からウランの採掘を行った。
しかし、その後、きちんと後処理をせずに放置したままにしておいた。
ウラン鉱石は、原子力発電所の燃料であるプルトニュウムに加工精製される。
ウラン鉱石そのままでは使用できず、濃縮しなければ燃料とはならない。
ウラン残土にも放射性物質は含まれており、これを通常の土のように使用したり、処分することは危険だ。
このウラン残土で農作物を作れば、その農作物にも放射性物質が含まれてしまう。
それが収穫され、流通し、販売され、各家庭の食卓にのぼると、健康被害が懸念される。
どれくらいの放射性物質が含まれているかにもよるが、場合によっては、家の近くにあるだけでも危険だ。
要するに、これを普通の土と一緒に混ぜで処分してしまうと、放射性物質が分散する。
放射性物質は長期間放射能を出し続ける。
半減期は、何と1万4000年なのだ。
これは気が遠くなるような年月であり、数世代どころの被害ではない。
放射能被害というのは、わかりにくいかもしれないが、白血病、ガンの発生がある。
免疫力の低下、遺伝子の破壊、奇形児の出産、その他、原因不明の病気をもたらす。
放射能は、目に見えず、味も匂いもなく、わかりにくい。
だが、確実に健康を害し、寿命を縮める。
強力な放射能を浴びれば、即死することさえあるが、即死はしなくても、1週間後、1ヶ月後、1年後に、ばたばたと死亡する。
藪医者であれば、放射能が死因であるということはわからない。
放射能の最大の危険性は、遺伝子破壊だ。
これによって、人体の設計図が狂ってしまうのだ。
人間は年齢に関係なく、新陳代謝が行われており、あらゆる細胞が毎日誕生している。
実感がないかもしれないが、骨でも内臓でも、皮膚でも、すべて誕生と死滅を繰り返しているのだ。
だが、DNAがあるので、いくら再生を繰り返しても、同じ人間の姿形でいられる。
日毎に人間が、ゴリラになったり、蛇になったり、麒麟や鳥になならないのはこのお陰だ。
ところが、放射能によって、このDNAが破壊されるので、人間の姿ではいられなくなる。
他の動物になるというよりもがんなどの異常細胞が増殖して、内臓破壊、内出血、細胞崩壊、呼吸停止、血液循環停止となる。
人体の各器官、細胞組織が、異常となるのだ。
要するに、平和な社会に非行少年が誕生して暴れまわり、片っ端から殺人行為をするようなものだ。
本来ならそういう異常が起きたら、それを排除する機能もあるが、その治安維持の組織まで破壊されるので、修正ができない。
現在の医療技術では、新しい正常なDNAを人工的に作るということはできない。
だから放射能でDNAが破壊されたらそれで終わりだ。
核燃料サイクル機構が健康体に戻してくれるわけではない。