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グリゴリー・パスコさんに対するあらゆる訴えの取り下げを要求 投稿者 背景説明 日時 2002 年 6 月 26 日 19:55:08:

(回答先: 日本メディアへ情報提供したロシア記者の上告を棄却 ロシア最高裁 投稿者 倉田佳典 日時 2002 年 6 月 26 日 19:45:35)

ロシア連邦共和国
良心の囚人グリゴリー・パスコさんに対する
あらゆる訴えの取り下げを要求

AI INDEX: EUR 46/22/99

アムネスティは、本日、ジャーナリストで良心の囚人として獄中にあったグリゴリー・パスコさんが釈放されたことを歓
迎しつつも、彼に対するあらゆる訴えが取り下げられ、彼が真に自由の身とならない限り、正義が実現されたとはいえな
い、と強調した。

「本日出された決定は、まったくの無実の人間を一年半以上も拘禁していたということが誤りであったと、ついにロシア
軍部が自ら認めたことにほかならない」とアムネスティは述べた。

グリゴリー・パスコさんは、ウラジヴァストークにあるロシア太平洋艦隊の軍法会議によって釈放された。彼に対する起
訴は、彼のスパイ行為と国家機密漏洩の嫌疑を証明するための証拠に欠けていると、同軍法会議が判断したためである。
また同軍法会議は、捜査段階や証拠収集の段階で違法な行為があったことも指摘した。しかし、それでもなお、軍法会議
は彼を無罪とするのではなく、ロシア連邦共和国刑法典285条第1項の「公務員職権濫用」にあたるとして最高3年の刑に処
した。

その上で、同軍法会議は、「職権濫用」行為は、太平洋艦隊の幹部の過失によるものだとして、つい最近採択されたばか
りの、囚人や被拘禁者に対する恩赦法の規定により、グリゴリー・パスコさんへの刑を免じた。

「完全な無罪でなければ、グリゴリー・パスコさんの無実を完全に証明し、将来どのような迫害を当局から加えられよう
ともそれに対抗できるよう保障することにはならない。」

1997年11月に身柄を拘束されてからこれまで、アムネスティは、グリゴリー・パスコさんは、ロシア海軍が核廃棄物を日
本海に違法に投棄していたことを報道するという、みずからの表現の自由を平和的に行使しただけで、「犯罪」をしたと
されたと指摘してきた。

アムネスティとしては、彼が有罪か否かについて、上級審で独立した審査をおこなうとともに、公務員職権濫用罪の嫌疑
については、これを取り下げるよう求めている。

「環境汚染の状況に関する情報や人命に関わる事故、災害に関する情報などを人々に知らせない、というのはロシア憲法
にも違反し、ロシア刑法典でも5年以下の刑に値する犯罪である。そしてグリゴリー・パスコさんは、その種の情報を公に
したものである」とアムネスティは指摘した。

「したがって、実に皮肉なことに、誤って拘禁されたというだけではなく、最初は世界に対して環境汚染の危機を訴えよ
うとしただけだった人に対して、未だに嫌疑がかけられているのである。」

背景情報

1993年、グリゴリー・パスコさんはロシア海軍のタンカーが放射性物質を日本海に投棄しているところを撮影した。この
撮影されたフィルム「超危険域」は後に日本のNHKテレビとロシア東部のプリモールスキ道のテレビ局で放映された。

その他にもロシア太平洋艦隊の新聞「バイェーヴァヤ・ヴァフタ」や日本の朝日新聞の記事などにも取り上げられたが、
こうしたフィルムや記事の中で、グリゴリー・パスコさんはロシアの原子力潜水艦隊の解体の中で起きた事故により環境
が汚染される危険性を紹介した。彼は、太平洋艦隊の予算が足りない上に、上層部が腐敗しているため、液体ないし固体
の放射性物質をヴラジオストーク沖に不法に投棄し、沿岸のロシア、日本その他の国々の住民の健康に対して危険を生じ
させたと批判した。

グリゴリー・パスコさんは1997年11月、ヴラジヴァストーク空港で連邦安全保障局に逮捕された。彼は、第二次世界大戦
中のロシア水兵に関する話を調査するため公式に許可を得て日本に旅行していたが、それから帰還したところだった。安
全保障局は彼のアパートや彼がその調査のために集めた文書資料も押収して調べた。彼は、機密情報を日本の報道関係者
に渡したことで訴えられた。軍幹部は、押収された文書等はいずれも機密扱いではなかったことを認めながら、三年間の
間に報道された一連の記事や放映されたテレビ番組は、全体として国家安全保障に対する脅威となったと主張した。

逮捕後、グリゴリー・パスコさんは長く懲罰房での独居拘禁下に置かれていた。彼の弁護士によれば、拘禁中に彼の健康
は悪化したが、結核に罹患した疑いがあったにも関わらず、適正な医療措置が講じられなかったという。

本日の軍法会議の決定は、1999年1月21日に開始された非公開審判の最終段階である。この審判については、その公正さに
重大な疑義が生じている。連邦安全保障局はこの事件を国家機密と規定し、弁護士が防禦活動を遂行するのを難しくし
た。さらに、1月27日には、軍法会議判事は弁護人であったカレン・ネルセシヤンを欠格として拒否し、彼ともう一人の弁
護人アナトリー・プーシキンを、審理の様子を報道関係者に漏らしたとして訴えた。また軍法会議判事は、カレン・ネル
セシヤンの欠格の理由として、「判事に対する敵対的な行為」をもあげようとしたといわれる。こうした訴訟指揮のやり
方は、旧ソ連時代にあった非公開審理を維持するための旧連邦法にもとづいたものである。

軍法会議の構成もまた、その独立性、不偏不党性に疑いを抱かせるものだった。審理には専門家としての訓練を受けてい
ない「人民参審員」が二人参加するが、その二人は沿岸警備隊の幹部であったといわれる。とすれば、彼らはグリゴリ
ー・パスコさんを国家反逆罪で訴えている公訴主体である、ロシア安全保障局の指揮命令下にあったということになる。


http://www.amnesty.or.jp/campaign/pasko_release.html

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