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国民一人ひとりに11けたの住民票コード(番号)をつけ、自治体のコンピューターを結んで一元管理する「住民基本台帳ネットワーク」(住基ネット)。国は電子政府への一歩と位置づけるが、8月のシステム稼働を前に、施行の延期を求める意見書が地方議会で相次いで採択されている。防衛庁リスト事件などで「プライバシー保護に不安がある」との声が高まった。
国への意見書を22日までに採択したのは、東京都で日野市と東久留米市、高知県で須崎市、佐賀町、十和(とおわ)村、千葉県白井市、新潟県中郷村の各議会。
さらに東京・多摩地区では、市長が「延期」を要望している国分寺市、国立市を含む7市議会で意見書が提案される方向だ。東京都杉並区も政府に質問状を送った。
高知県十和村は全国で最も早く、12日に全会一致で採択した。今年4月に情報公開条例を施行したばかり。個人情報を保護する条例についても話し合い始めたところへ、防衛庁リスト問題が持ち上がった。
国の個人情報保護法ができていないのに、住基ネットだけ先行させるのは心配だという意見が相次いだ。橋本保議員は「我々には住民を守る義務がある。今のままでは、個人情報の漏洩(ろうえい)に歯止めがなくて危険だ」と話す。
日野市議会も19日、全会一致で採択した。提案した名取美佐子市議(無所属)は「自民系や公明党まで賛成してくれたのには、びっくりした」。保守系会派の土方尚功市議は「市長が自ら問題だと言っている自治体もあったし、慎重にやってくれ、ということですよ」という。
白井市議会は21日、賛成12、反対11で可決した。週明けに審議する国分寺市議会の自民党系会派の議員は「このままだと、自治体は混乱するのは明らか。いったん見送って、きちんとした法律を作った方がいい」と賛成する考えだ。
住基ネット創設を定めた法律は99年にできた。いま自治体ごとに管理されている氏名、住所、生年月日など六つの個人データを一元管理し、中央省庁も利用する。
1億2千万人を超す国民全員が登録される巨大ネットワークについて、日本弁護士連合会は「国民総背番号制につながり、情報が流出すれば国家の安全にもかかわる」と批判。全国の自治体に意見書を採択するよう文書を送っている。(20:25)