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Re: 巨悪=無責任政治家と高級官僚 投稿者 ウォッチャー 日時 2002 年 5 月 24 日 22:24:44:

(回答先: Re: 巨悪=無責任政治家と高級官僚 投稿者 あひる 日時 2002 年 5 月 24 日 10:02:34)

”「カサンドラ・クロス」という映画があった。もう大分前のことだ。
細菌戦用の軍事機密を守るため、アメリカ軍がヨーロッパ大陸横断列車を葬り去ろうとする。次々に細菌におかされていく乗客に対し、米軍は治療のための施設へ誘導するから安心するよう伝える。しかし実際には、鉄橋事故をよそおって何の罪もない数百人の乗客もろとも列車を谷底へ落とすという冷酷非情な決断を下すのである。
高速で突っ走る大陸横断列車。原因不明の病気と目的地への乗客の不安・・・・・。映画は見る者の胸の鼓動を速めながら、これらを克明に描いていく。
しかし指令を下した米国将校の下の女性科学者が、途中で細菌の正体と弱点を発見、乗客を殺す必要がないことを伝える。だが、すでに時は遅かった。列車は鉄橋の近くにさしかかっていた。
一方列車内では、一部の人間が行先の危険を察知して、きわどい所で車両を切り離し、鉄橋の直前で難を免れる・・・・・(数年以上も前の記憶で、正確ではないかもしれない。多少の違いはお許しいただきたい)。
この映画に、私は二つの恐怖を抱いた。
一つは、軍事機密を守るためなら何百人の生命をも犠牲にし、ラストシーンでは女性科学者と司令官まで殺しかねないと思わせる[権力]の恐ろしさ。
もう一つは、いつまでも米軍からの連絡を信じ、「各国の首脳が手をつくしているのだから、鉄橋は大丈夫さ!」と考えた、多くの乗客の[権威]への弱さである。
映画「カサンドラ・クロス」は、[権力]の恐ろしさもさることながら、この[権威]に対する庶民の弱さを強く訴えようとしたように思えてならない。
ある意味では、この映画は、列車の乗客に一方的に伝えられる情報に、その中の一部の者が疑いを抱くことから始まった。「あの橋はもう何百年も使っていない。きっと崩れる!」と言ったユダヤ系老人の言葉に、何人かの乗客が、[頭の中の固定観念][心の中の権威主義]を、勇気をふるって払拭したところから始まったのだ。もしそれがなければ、列車の全ての車両はそのまま朽ち果てた鉄橋とともに、谷底へ転落していったことだろう。 人類はその昔、他人を[腕力]あるいは[武力]で組み伏せた。その後、時の為政者は[権力]で、そして[金力]あるいは[財力]で庶民を動かすようになった。もちろん今でもその傾向は強い。
しかしベトナム戦争や韓国の言論統制でも明らかなように、上からの力による押しつけに、人間の精神力はそうたやすく挫けるものではない。逆にその力によってますます強靱な抵抗を示す例も少なくないのだ。
だが、[権威]は違う。これは上からの押しつけだけではない。庶民の心の中に自ら生まれてくるものなのだ。言わば、[押し]の「権力」に対して、「権威」は[引き]である。これをうまく使えば、何らの肉体的精神的苦痛を与えることなく、思いのままに人を動かすこともできる。いや、相手は喜んで尻尾を振り、ついてくる場合が多いのだ。
一体、この恐ろしい魔力を秘めた[権威主義]は、どこから生まれるのだろうか。
それは、物事を自分の目で確かめ、自分の頭で判断し、自分の心でとらえることを怠ったところから始まる。そして既成の価値や常識、偉い人の言葉などをそのまま信じこんでしまった時、我々の心の中には、あの幻の天守閣(=固定観念)が築き上げられてしまうのではないか。
権威の対象は多岐にわたる。
「大きなもの」「階級の高いもの」「有名なもの」「形のととのったもの」「真面目なもの」「大人感覚のもの」「古いもの」・・・・などなど。”[NHKはもういらなうい!/行宗蒼一著]

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