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W杯の経済波及効果について、電通総研は、日本がベスト8まで進出した場合、合計で3兆3049億円の効果があると試算している。
このなかには、1996年度以降に建設された国内10会場のスタジアム建設、整備などの5710億円と、W杯関連グッズや試合を見るためのCS(通信衛星)放送チューナー購入などで家計消費支出の8477億円増が含まれている。
電通総研の吉野次郎副主任研究員は「建物建設や商品購入のうち7割近くはすでに済んでおり、開催期間中の消費だけで景気回復が期待できるわけではない」としている。
今年度中に限って見ると、第一生命経済研究所は、国内外の観戦客が払う宿泊・交通費などで計3690億円の経済効果があるとしている。一方、さくら投信投資顧問の宅森昭吉チーフ・エコノミストは「前回フランスでは、90年代以降、0・1%減―1・5%増と低迷していた個人消費支出の対前年比伸び率が開催年は3・6%増に跳ね上がった」とW杯効果が期待できることを指摘する。
ただ、日本が予選で敗退すると、W杯熱が急速に冷め、消費支出は尻すぼみになりかねず、「経済効果は予選突破にかかっている」(宅森チーフ・エコノミスト)と言えそうだ。
(5月20日23:03)