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昨日(5・16)、政治資金規制法及び所得税法違反に対する違反行為が取り沙汰されていた加藤紘一前衆議院議員の立件を東京地検が見送ると報道された。
立件見送りの根拠としている内容については、添付している新聞記事の転載をお読みいただきたい。
非課税の政治資金を私的に流用した事件を所得税法違反(政治資金を私的に流用した結果論的違反)を主眼として論じているのは、まさに“政治臭”に満ちた検察の主張である。
9000万円と言えば、年収300万円の人が30年間かかって稼ぐもので、税金や社会保険料を差し引いた後であれば一生かかって稼ぐ金額だといえる。
加藤氏は、それを寄付された政治資金から手に入れたのである。(国会議員の職や事業で稼いだ金ではない)
一方、ゴールデンウィーク前(4・22)に大きな話題になった三井元大阪高検公安部長は、詐欺・電磁的公正証書原本不実記載、同供用・公務員職権乱用の疑いで立件うんぬんどころか即座に逮捕された。
実際には住んでいないマンションに住民票を移し、税軽減の措置を受けるための証明書を詐取したというのが基本的な容疑である。
実際に住んでいない住所に住民票を移す行為は、子息を学区外の有名公立学校に入学させたい親が利用している手法でもある。
三井氏が軽減した税金は47万円と言われており、加藤氏の立件を見送る根拠として検察が列挙したものの一つである「申告漏れの所得が告発の一般的な基準である1億円に達しない」に相当する。
森山法務相や福田官房長官は“口封じ”ではないと主張しているが、三井氏の逮捕も、否応なく“政治臭”が漂ってくるのである。
刑事事件は、検察が起訴するかどうかが重要な関門になる。そして、日本の裁判所は、検察が持ち込んだ起訴を96%もの高率で有罪にしている。
同じ違法行為でありながら、あるものは不起訴もしく立件見送り、あるものは起訴、さらにはより重い違法行為を犯したものが立件見送りで、より軽い違法行為を犯したものが逮捕という検察の振る舞いは、検察庁が、告発者であることにとどまらず、裁判官の役割までを果たしていると言えるだろう。
ごく短い期間で明らかになった三井氏の逮捕と加藤氏の立件見送りを比較して、批判や疑義の提示を行わない内閣・国会議員・メディアは、“法のもとでの平等”という国家の根本原則をないがしろにしているのだ。
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東京地検、加藤氏の立件見送り 流用認め修正申告へ [朝日新聞]
元自民党幹事長の加藤紘一氏(62)が資金管理団体の政治資金を流用したとされる疑惑で、加藤氏が東京地検特捜部に対して、私的流用を認め、修正申告する意向を示していることが分かった。特捜部は、加藤氏本人を所得税法違反(脱税)容疑などで捜査してきたが、申告漏れ額が刑事告発の目安となる1億円に達しない可能性があることや、加藤氏に脱税の認識も薄いことから、最終的に刑事責任を問うことを見送る方針を固めた模様だ。これを受けて国税当局は、追徴する方向で検討に入った。
調べによると、加藤氏は、自らの資金管理団体「社会計画研究会」から、自分の口座に毎月150万円前後の送金を受けていた。01年までの4年間に振り込まれた額は九千数百万円にのぼった。この金は、マンション家賃(月額約110万円)や山形県鶴岡市に住む実母の口座への送金(同約35万円)、クレジットカードや損害保険料の支払いに充てられた。
特捜部は、マンションが加藤氏の自宅として使われ、政治活動拠点とは認められないと判断。背広や飲食費、光熱費などの支出も個人的な使途とみて、脱税容疑での立件の可否を検討していた。
しかし、さらに捜査を進めたところ、(1)衣服や飲食費などは、政治活動に必要だったとの見方も可能で、一部に公私の区別がつきにくい支出があった(2)加藤氏に脱税の認識が乏しい(3)申告漏れの所得が告発の一般的な基準である1億円に達しない可能性がある(4)仮名口座や借名口座を使ったわけではなく、悪質な隠蔽(いんぺい)工作は見受けられない−−などの点を重視。国税当局と協議した結果、追徴は必要だが、加藤氏の刑事責任を問うほどの悪質性はないとの結論に達したとみられる。
また、加藤氏の事務所元代表で社計研の会計責任者だった佐藤三郎容疑者(61)=所得税法違反の罪で起訴、再逮捕=が、加藤氏への送金を政治資金収支報告書に記載していなかったことから、特捜部は、政治資金規正法違反容疑でも捜査してきた。しかし、虚偽記載は、佐藤元代表が主導しており、この容疑で加藤氏の刑事責任を問うことも難しいと判断した模様だ。
加藤氏は4月8日の衆院予算委員会で、「マンションは政治活動の本拠地で、事務所兼自宅だ。私的に使った分もあるが、ほとんどが仕事のためだ」と説明する一方、当局から指摘があれば修正申告に応じる姿勢を示していた。加藤氏はこの直後に責任をとって議員辞職している。(12:38)