鈴木宗男代議士から始まって、辻元前代議士・加藤紘一代議士・田中真紀子前外相・井上前参議院議長・山崎幹事長そして官房機密費情報漏洩と立て続けで政治スキャンダルがメディアを賑わしてきた。
その結果、辻元さんは議員を辞職し、加藤氏は総理総裁の芽を完全に摘まれた。
鈴木氏も、外務省に対する影響力を失い、野中氏の資金集め実行部隊としての機能も大きく低下させた。
田中真紀子さんも、新党結成や将来の総理大臣という可能性が大きく減少した。
変態呼ばわりされた山崎氏も、近い将来すなわち小泉首相の後を継ぐ芽はなくなった。
井上氏は、デフレ不況のなかでお金をたかられる痛みに業者が反乱を起こしたもので、その他のスキャンダルとは異質のものである。(これからも、あのような反乱は続くだろう)
辻元さんに関しては、鈴木宗男氏攻撃の意趣返しとして、橋本派からちくられたという読みもできる。
田中真紀子さんについては、解任後もしぶとく続く人気に恐れをなした自民党主流派が抑え込みを計ったという見方もできる。
官房機密費の情報漏洩は、加藤氏追い落としの決め手として、川に落ちた犬を叩くためのものかもしれない。
鈴木宗男氏・辻元さん・田中真紀子さん・加藤紘一氏及び辻元さん秘書問題を契機とした社民党叩きに共通しているのは、ロシア・中国・北朝鮮といった日本の外交基軸から言えば敵側に属する国々との関係が深いということである。
「対テロ戦争」が進行中で、小泉政権が有事法制を国会に上程している状況から、彼らが“親米派”勢力の手で放逐されたのではないかという推測はできる。
しかし、統一教会も絡むセックススキャンダルを暴露された山崎氏は、そのような排除路線からは外れる人物である。
山崎氏自身も含めて、小泉首相が行き詰まったら、山崎氏が後を襲うという構想は有力なものとして存在していたはずだ。
もちろん、山崎氏のスキャンダルも、幹事長奪還を狙う橋本派の策動という推測はできる。
ここで話が戻るが、加藤氏も森政権に反旗を翻した遺恨を引きずる橋本派の策動で追い落とされたと考えるなら、一連の“疑惑”スキャンダルは、鈴木宗男氏失脚を端に発した逆襲と権力奪還を狙う橋本派の仕掛けだとまとめることができる。
しかし、親中国・北朝鮮国交回復派の野中氏をはじめとする橋本派が、最後の残された国民受けする首相候補である加藤氏を遺恨があるとはいえ追い落とすような愚策を採るかという疑問は残る。
政策的に言えば、加藤氏と橋本派は近い。橋本派は、小泉−森−福田ラインや山崎氏よりも、加藤氏の方に政策的親近感を抱いているはずだ。
加藤氏潰しが橋本派によって行われたとしたら、野中氏をはじめとする橋本派は、完全に政治センスを喪失したと断じざるを得ない。
どうせ勝手な妄想だから、妄想の結論をまとめることにする。
今回の一連のスキャンダル劇は、「親米派でなおかつ“経済改革”派の政治勢力を多数派にしたい」と考えている勢力が仕組んでいる可能性があると思っている。
小泉首相では経済改革が実行できないと見切りをつけ、有事法制成立を最後のご奉公にしてもらおうと考えている勢力である。
主要メディアは、日本の経済を立て直すためには、スピードアップした「不良債権処理」を中心とした経済改革が必要という論調では一貫している。
そうであれば、小泉首相以上に理念主義的な改革を掲げている民主党や自由党の存在が浮かび上がってくる。近未来では自由党が第一党になる芽は小さいから、民主党中心の連立政権になるであろう。
もちろん、石原都知事新党が急浮上する芽もあるが、彼の政策が“お気に召すもの”かは大いなる疑問がある。
もちろん、鳩山民主党に、一連の政治スキャンダルを仕切る能力も胆力もないと考えているので、彼ら自信が権力を握るためにあのような仕掛けをしたとは思っていない。
一連の政治スキャンダル劇からは、政党ではない“誰か”が、政党の勢力地図を大きく変えようとしている匂いが漂ってくる。
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