早見の相場観より
小泉退陣、石原政権の流れ加速
なぜ早見が政治の流れをしつこく追っているのか。それは投資家、いや国民の財産に大きな激変を与えるからだ。今に理由が分かる。
さて、昨年末に発表した早見の『九星気学と干支からみた2002年の大予測』の中で予告しておいたとおり、石原・東京都知事が政権奪取に向けて本格的に動き出した。
すでに小泉内閣の命運は尽きつつあり、風前の灯で、国民は新しいヒーローの登場を待っている。そのヒーローが誰であるかも衆目の一致するところだ。石原に代わる人物はいない。
小泉内閣の支持率は40%割れ寸前で、自民党の支持率も森内閣末期の時以来の20%台割れに急落した(4月19日発表、時事通信調べ)。地方選挙でも自民党に逆風が吹いていることを示す結果が、次々に出ている。
3月31日の横浜市長選で自民など4党相乗りの現職が、民主党支持の若手新人に衝撃の敗北を食らったのに続いて、4月21日の山口市長選でも自民など4党相乗り候補が、無所属新人に敗北。同じ日に秋田県の湯沢市長選では自公支持の現職が、なんと共産党支持の候補に敗れ、秋田県内で史上初の共産党市長が誕生した。さらに京都府知事選では6党相乗り候補が勝ったとはいえ、共産党候補の得票は昨年夏の参院選での京都府での比例区の得票を一気に2倍以上も上回り、逆に勝った側は6党の比例票合計の半分にとどまり、共産党が大善戦となった。どちらに真の勢いがあるかは歴然としている。
小泉首相は4月21日に衆院和歌山2区補欠選挙のため和歌山県岩出町で応援演説を行なった。しかし1万人の聴衆は、首相が改革の話をし始めると演説の途中でゾロゾロ帰り始め、出口が帰る人々で混み合うという、今までになかった現象を見せ、落ち目の小泉を印象付けた。
小泉内閣が倒れたあと石原政権へという流れは自明の理であり、歴史の必然である。世界の政治潮流は右へ右へと大きくシフトしているから、小泉よりもウルトラ・タカ派の石原首相にバトンタッチするのは当然だ。
だが、忘れてはならない。日本は今、大正末期から昭和初期にかけてとウリふたつの道を歩んでいることを。
石原慎太郎という人物は、日本のヒトラーである。国民の人気を背景に超法規的な行動を断行していけるのは石原しかいない。
だが、それは同時に、ヒトラーがそうであったように国民をどんどん締めつけて統制社会を強力に形成していくことになり、自由はなくなっていく。そして、銀行への外形標準課税でかいま見せたように、企業と個人の富を吐き出させる方向で一気に不良債権と財政赤字を解消させようとするだろう。終戦直後と同じく、預金凍結、新円への切り替え、財産税や預金の一律カットなどが実行されるだろう。財産を合法的に守り、隠していくようにしないと根こそぎ持っていかれる日がやってくるのだ。
http://www.hayami.org/htm/mdm_01.htm