業務でインターネットを利用している企業の16・3%が、従業員によるネットの私的利用を“監視”していることが、日本労働研究機構の調査でわかった。
昨年12月には、私的な電子メールを上司が閲覧してもプライバシー侵害にはならないとした判決が東京地裁で出されており、私的利用は慎んだ方がよさそうだ。
調査は、インターネットの私的利用に対する企業の意識や対応を探るのが狙い。上場企業など3575社を対象に先月、アンケートを実施し、267社から回答を得た。
それによると、インターネットを業務で使っている企業のうち、私的に利用している従業員が「かなりいると思う」と答えたのは35・7%。「多少いると思う」の52・5%を合わせると9割近くに上る。
私的利用の防止対策は35・4%の企業が実施。対策の内容(複数回答)は〈1〉ホームページ閲覧や電子メールの利用状況などの履歴を保存(61・3%)〈2〉インターネット利用状況をシステム上で監視(46・2%)〈3〉業務に関連のないホームページを閲覧できないようにしている(33・3%)――が多かった。
私的利用で生じる問題は、「ウイルス感染」「ネットワークの混雑など通信の障害」「仕事の効率低下」など。13・7%の企業が私的利用で何らかの処分を行っており、規模の大きい企業が実施する割合が高かった。
(4月21日00:46)