岩手県北上市の県立黒沢尻北高校(永野雅美校長、生徒数854人)で、昨年11月、物理の授業中に担当の男性教諭(37)が3年生の生徒計26人の指にX線を照射し、うち男子生徒1人の指3本が「急性放射線皮膚炎」にかかり、約1カ月のけがを負っていたことが、18日分かった。ほかの25人に異常はなかった。
同校によると、昨年11月29日、「物理2」の授業で、封筒に入った硬貨をX線で透視する実験を行った。これで実験を終えるはずだったが、教諭の判断で希望する生徒の指にX線を数秒間照射し、骨格を見た。その際、教諭が映像モニターを調整したため、男子生徒だけ普通より長い約30秒間、X線を受けた。男子生徒は12月18日になって、指3本が黒ずんではれたと訴え、盛岡市の岩手医大で診察を受けた。
当時の校長と教諭が男子生徒の自宅を訪れて謝罪し、同校は男性教諭を厳重注意した。佐藤吉弘教頭は「軽率な行為だった。今後このようなことがないよう教員に安全意識の徹底を指導する」と話している。(毎日新聞)
[4月18日14時21分更新]