04/17 10:20 児童ポルノ規制は違憲 表現の自由制限と米最高裁 外信41
【ワシントン16日共同】米連邦最高裁は十六日、クリントン前
政権時代に成立した児童ポルノ規制を強化した連邦法について、表
現の自由を定めた憲法に違反するとの判決を下した。
同法は、一九九六年に上下両院を通過してクリントン前大統領が
署名。十八歳未満の男女による性的行為の画像の公表や販売、所有
を禁止していた。
しかし同法は、実際に十八歳未満ではないケースでも「十八歳未
満との印象を与える」場合は規制対象に指定。さらに「バーチャル
ポルノ」などと呼ばれるコンピューターによる合成画像も規制の範
ちゅうに加えていたことなどから、米社会では、規制があまりにも
あいまいで表現の自由を制限しているとの意見が出ていた。
判決理由の中で最高裁のケネディ判事は、同法が十八歳未満の性
的行為を思い起こさせるような文章や言葉による表現も規制対象と
していることに触れ「それならばシェークスピアの『ロミオとジュ
リエット』などの芸術作品も該当する。同法の規制対象はあまりに
も広範にわたっており、憲法に違反している」と指摘した。
最高裁判事のうち六人が判決を支持、三人は反対した。
(了) 020417 1020
[2002-04-17-10:20]