04/13 16:52 産業スパイに刑事罰 企業秘密の保護を強化 日本企 経済09
共同
経済産業省は十三日、製造技術やノウハウ、顧客名簿といった企
業秘密を不正に取得、競争他社に流出させる「産業スパイ」行為な
どに対し、懲役刑をはじめ刑事罰を科す方向で検討に入った。
六月にも経産相の諮問機関である産業構造審議会・知的財産政策
部会を立ち上げて細部を詰め、来年の通常国会で不正競争防止法の
改正案提出を目指す。
同省は企業秘密の保護策を欧米先進国並みに強化することで、日
本企業の競争力の向上につなげたい考えだ。
現行の不正競争防止法は、窃取、詐欺などの不正な手段で営業秘
密を取得、使用することを禁じている。だがこうした行為に対して
は、損害を賠償することを定めているだけで、刑事上の罰則がない
。
そのため、秘密情報が記録されたフロッピーディスクを持ち出し
たケースでは、数十円の価値しかないディスク自体の窃盗罪として
しか立件できず、産業スパイ行為はいわば「野放し状態」(同省幹
部)となっている。
こうした法規制の不十分を背景に、欧米企業に比べて日本企業か
ら機密情報を入手することは容易だとされてきた。
現行法は他人の商標を盗用したような場合には、三年以下の懲役
か三百万円以下の罰金を定めており、産業スパイ行為などにも同様
の罰則を科す方向で検討する。
欧米先進国は産業スパイへの刑事罰を設定。米国は経済スパイ法
(一九九六年成立)に違反したとして、昨年に遺伝子技術の分野で
日本人研究者を起訴した。ドイツは不正競争防止法、フランスは知
的財産法典で刑事罰を設けている。
(了) 020413 1652
[2002-04-13-16:52]