「私は北関東ブロックで終身比例第1位なんてことを言われているが、そんなものは早く返上した方がいいと思っている」−−中曽根康弘元首相(83)は20日、所属する江藤・亀井派の総会でこう述べ、次期総選挙では、小選挙区、または比例の順位にこだわらずに立候補したいとの考えを示した。
中曽根氏は「いわゆる実績などに固定化されずに弾力的な頭で思い切った改革をやることが必要だ。小泉君を中心にして正しい政治を行えるよう側面から支援したい」と述べ、小泉改革路線を支持する立場から、「特権の返上」を決意したことを明らかにした。
中曽根氏の「終身1位」は96年の総選挙の際、小選挙区からの出馬にこだわった同氏に対し、比例区への転出を求める当時の執行部が提示した。同氏周辺によると、「元来、こちらから求めたものではなかった。自分だけ特典にぬくぬくしているのは忍びないという気持ちから出た発言のようだ」という。
もっとも、実際には、比例区で立候補する場合は1位以外の処遇は難しいと見られている。小選挙区での立候補となると、他候補との調整が混乱する恐れもあり、結局「比例1位」に収まる可能性が小さくない。