03/17 13:00 オス魚の5割が「メス化」 避妊薬が原因か 外信19
【ロンドン17日共同】英国の主要河川に生息するコイ科の魚の
オスの約50%にメスの生殖器ができるなど「メス化」しているこ
とが、英政府機関の五年間にわたる調査で判明した。
経口避妊薬に含まれる女性ホルモン、エストロゲンが尿から出て
川に流れ込んだ結果とみられ、人間に及ぼす影響が懸念されている
。
十七日付の英日曜紙インディペンデント・オン・サンデーが伝え
た。
人間などの生殖機能に悪影響を与える「内分泌かく乱化学物質」
(環境ホルモン)が問題にされて久しいが、今回の英国の調査結果
は、その深刻さを具体的に示したものとして注目される。
同紙によると、調査は環境・食糧・農村省と自然環境調査評議会
がロンドンの上水道の水源になっているリー川など英国を流れる十
河川で、コイ科のローチを対象に実施した。
その結果、オスの50%弱が実際に体内に卵を持つか、輸卵管を
持つなど「メス化」していた。メスに転換した魚をエストロゲンの
ない「きれいな水」に戻してもオスに戻らなかった。オスの性質を
維持した残りのうち10%が生殖能力がなくなり、25%は精子に
異常が見られた。
調査結果は今月中に正式発表されるという。
(了) 020317 1300
[2002-03-17-13:00]