戦時中に雑誌編集者ら約90人が思想犯として検挙された「横浜事件」で、有罪判決を受けた編集者の遺族らが15日、横浜地裁に再審の開始を求める訴えを起こした。同事件をめぐる再審請求は1986年7月以来、4件目。これまでに2件は最高裁で却下され、1件は横浜地裁で審理中。
訴えを起こしたのは、雑誌「改造」の編集部員だった故小野康人さんの二男ら。再審請求書によると、小野さんは45年9月、共産主義思想を広めるような論文を編集したとして、治安維持法違反容疑(当時)で逮捕され、同地裁で有罪判決を受けた。
小野さん側は「問題の論文は左翼的ではない」とする歴史研究者の見解を新たな証拠として示し、判決の違法性を主張する方針。 (時事通信)
[3月15日17時1分更新]