03/15 12:47 文科省初の原子力防災訓練 大阪・京大実験所で 社会234
共同
大阪府熊取町の京都大原子炉実験所で十五日、緊急事態の発生を
想定した文部科学省主催の原子力防災訓練が実施された。国の原子
力防災訓練は、既に経済産業省所管の商業原発などでは行われてい
るが、実験炉など文科省所管施設では初めて。
訓練は、原子炉に隣接するオフサイトセンターと東京の同省非常
災害対策センター、大阪府など四地点をテレビ会議システムなどで
結び、十三機関から約二百六十人が参加した。
原子炉を冷やす冷却水が配管から漏れ出し、手動停止のための制
御棒が動かず、さらに冷却水の緊急注入にも失敗したとの想定で、
原子力災害対策特別措置法に基づき「緊急事態宣言」を発令。関係
機関の情報伝達などを緊密にするのが狙い。
訓練では「制御棒の挿入が不能」などと、事故現場から刻々と上
がる情報をオフサイトセンターに集約。テレビ会議で結んだ文科省
の対策本部と情報をリアルタイムで共有しながら、迅速な対応をシ
ミュレーション。発生から対策本部の設置、緊急事態宣言の発令ま
で、マニュアルに沿って手続きを確認した。
同原子炉は一九六四年に研究目的で設置され、出力は五千キロワ
ット。
(了) 020315 1247
[2002-03-15-12:47]