03/15 07:09 ユダヤ美術館展示で論争 「虐殺」わい小化と反発 外信08
【ニューヨーク14日共同】ニューヨーク・マンハッタンのユダ
ヤ美術館で始まる展覧会「悪を映し出す/ナチスのイメージ」が十
七日のオープンを前に、早くも熱い論争を巻き起こしている。
十三人の若手芸術家のポップ調の作品に、一部ユダヤ人団体が「
ホロコーストをわい小化するものだ」などと反発。ボイコットを訴
えているほか、地元タブロイド紙ニューヨーク・ポストが「まった
く無価値な展覧会」と酷評、「ファシズムが人を引き付ける秘密を
えぐった」(ビレッジ・ボイス紙)とする支持者と対立している。
論議の的になっているのは、ポーランドのズビグニュー・リベラ
氏(42)の「収容所レゴセット」。組み立て玩具でガス室のある
強制収容所を作るというセットだ。
美術館側は「無邪気なおもちゃでも、子どもに憎悪を植え込む危
険性があることを照射した」と狙いを説明しているが、ユダヤ人団
体は「けがらわしく冒涜(ぼうとく)的」と非難を強めている。
だが美術館側は、展示について「記憶するだけの作業から徹底的
に決別し、悪の本質を探究する試み」と、一歩も引かない姿勢。館
内各所に「ナチスの犠牲者の感情を害する展示があります」との注
意書きを張るなど配慮をした上で、空港並みの厳重な荷物検査で妨
害行為に対応する構えだ。
(了) 020315 0709
[2002-03-15-07:09]