03/11 16:09 ハイブリッド列車実用化へ JR東が試作車製作 社会68
共同
低公害車として普及し始めたハイブリッド自動車の仕組みに似た
゛ハイブリッド列車″の開発にJR東日本が着手した。来年春まで
に試作車一両を製作、試運転を始める。
窒素酸化物などの排出を減らして環境へ配慮すると同時に、二―
三割の燃費向上を目指す。保有するディーゼルカーの三分の一に当
たる約二百両が更新期を迎える数年後から量産に移行したい考え。
採用するのは、シリーズ式と呼ばれる方式。ブレーキ作動時に駆
動力で発電して蓄え、加速時にはディーゼル機関で発電した電力と
合わせて電気モーターを動かす。開発にはバスなどで実績のある蓄
電池技術を応用する。
ブレーキ時に電力を起こして活用する手法は電車では自動車より
ずっと早く、一九七○年代以降、各社に普及した。ただ発生した電
力を架線に戻して他の電車が使う方法で、架線を使わないディーゼ
ルカーでは実用化されていなかった。
ハイブリッド列車は製造費が通常のディーゼルカーより高くなり
そうだが、寿命が三十年前後と自動車より長いため、燃料費や維持
費を加えたトータルコストは大きく変わらないと同社はみている。
将来的にはディーゼル機関を燃料電池に置き換え可能なシステム
にする。同社は「実現すればディーゼルカーだけでなく、架線から
電気を取って走っている現在の電車も、燃料電池列車にかわるかも
しれない」と話している。
(了) 020311 1608
[2002-03-11-16:09]