東京ガスは天然ガスを効率よく吸着・貯蔵できる活性炭を開発した。環境への負荷が少ない天然ガス自動車の燃料タンクで使っている貯蔵技術に比べ貯蔵量が約四倍になる。
冷蔵庫の脱臭剤などに広く利用されている活性炭の製造工程を改良した。通常はセルロースなどの原料を熱処理してから粉末化、バインダー(のり)で固めるが、ます粉末化した後にプレス成型し焼き固めた。この際、圧力・温度条件を調節し、天然ガスの主成分であるメタンをうまく吸着する微小な穴を高密度に集積させることができた。バインダーは不要となった。
新開発の活性炭は、三十五気圧と比較的低い圧力で、米エネルギー省などの開発目標である大気圧下で貯蔵できる天然ガス量の百五十倍を蓄えられた。貯蔵効率は通常の天然ガス自動車で採用している圧縮貯蔵の約四倍に相当するという。
現在、天然ガス貯蔵基地では、天然ガスを液状にして大気圧比六百倍の高密度で保存しているが、セ氏零下百六十二度と極低温にする必要がある。天然ガス自動車などに実用化している燃料タンクは圧縮貯蔵を利用しているが、二百気圧の高圧をかける必要があった。新開発の活性炭を応用できれば、天然ガスをより多く貯蔵できるという。
日本ガス協会は国内の天然ガス自動車の普及台数を現状の一万台から、二〇一〇年をメドに百万台に増やす計画。低圧化によって燃料供給時の安全性が向上し、供給装置の簡略化などコスト削減にもつながるとみている。研究は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託で進めた。
[日経2/15]
★コメント
実用性が高そうな気がしたので、思い出した様に投稿しました。