3・1からアフガニスタン東部で開始された米軍主導の「アナコンダ作戦」は、日本のメディアが伝えているような“アルカイダ・タリバン残党勢力掃討軍事行動”ではなく、10・7の空爆で開始された「アフガニスタンでのムスリム大虐殺戦争」の第2段階である本格的地上戦の開始を告げるものである。
12月の“カンダハル無血明け渡し”で目算を狂わされた米軍は、第2段階の「大虐殺作戦」をずっと追求してきた。
● 「アナコンダ作戦」への参加国
※ アナコンダとは蛇の種類で、標的を無力化するために事前に包囲を行う習性をもつ
ガルデツ(シャコット山岳地帯)の作戦に参加した国々は、
米国・カナダ・ノルウェー・デンマーク・オーストラリア・ドイツ・フランス
である。(英国が見あたらないことについては後述)
フランスは、今回の「アナコンダ作戦」で初めて爆撃機を投入し、空爆を敢行した。
米軍は、これまで、アフガンニスタン勢力をドルで雇い「ムスリム虐殺軍事行動」の前面に立たせ、自らは後ろからそれを押す役割を果たしてきた。
しかし、今回の作戦は、アフガニスタン人武装勢力は少数のみで、米軍兵士が1000名以上投入されている。(今回の作戦で右目を負傷したアフガニスタン人は隣にいた米兵が殺されたことをインタビューで答えていた。米兵が狙い撃ちされたようだ)
しかも、「治安部隊」名目でアフガニスタン入りを果たした上記国々の部隊が作戦に参加している。
※ 本日(3・5)の「ABCワールドニュース」は、かつてのトラボラで軍事行動やカンダハル周辺軍事行動で、大金を支払ったアフガンニスタン地元勢力が、アルカイダやタリバンと裏で交渉したり、逃げ道を用意したことで地元勢力を活用する戦術に限界が見えたことを指摘していた。パキスタンのトライバルエリアでも、大金を支払ったパキスタン軍部隊がアルカイダを逃がしていたと伝えていた。
カンダハル近郊のアルカイダ兵士埋葬地には、大勢のカンダハル市民が墓参に訪れている。(「ABCニュース」及びフジテレビ「FNNニュース」でも報道)
今回の作戦に参加したアフガニスタン人は、米軍が2ヶ月ほど前から地元で集めてきた傭兵で、そこそこの訓練を受けたのちに戦闘に加わったという。(訓練風景のビデオ放送)
治安活動を名目にアフガニスタンに入った「多国籍軍治安部隊」が、軍事作戦に参加したことは大きな転換であり、日本を含め“アフガニスタン復興を支援した諸国”は、声を大にしてそのような暴挙を非難しなければならない。
● 「アナコンダ作戦」の戦況
3・1〜4の間に米軍兵士の死者が9名、負傷者が40名以上と発表されているように、2月までの作戦とは違って、アフガニスタン「反米勢力」から激しい攻撃が行われている。
アフガニスタン地元勢力を前面に押し立てていたときは、米軍兵士への狙撃といった感じの攻撃であったものが、米軍兵士など外国人部隊が主力になった今回の作戦で、「反米勢力」も、重火器を使用した大々的な攻撃を仕掛けるようになったと思われる。
米国国防総省発表でも、ヘリコプターが2機ほど撃墜されている。
地対空ミサイル(スティンガー)も使われている。
米国国防総省は新型「熱圧爆弾」を投下し、4日間で総計350発ほどの爆弾を投下したことを発表しているが、「ABCニュース」や「BBCニュース」によると、空爆の効果はほとんど上がっていないという。(標的の正確な位置がわかっていないようだ)
ラムズフェルド国防長官の記者会見を聞いても、愚かにも、「反米勢力」からあれほどの反撃を受けると想定していなかったことがわかる。
米軍は、「反米勢力」の概略の規模もわからなければ、きちんとした所在地もわかっていないようだ。(当初は数十名規模、次には数百名規模、今では数千名規模と厖大な損害を受けるたびに敵の規模予測を変えている)
作戦地域は、高度2千メートルという高地で、気圧も低く寒さも厳しく、降雪(爆撃も困難)もあり、そのような条件での戦闘訓練を受けていない兵士には苛酷な作戦となっている。
ラムズフェルド国防長官は、アフガニスタンへの地上部隊の増派を表明している。
● 「アナコンダ」作戦の進展でわかるアフガニスタンの「反米勢力」の規模
敵を見くびった緒戦で敗北した『新十字軍』は、空爆に支援された地上軍部隊による軍事行動を拡大していくだろう。
そうなると、首都カブールと米軍基地カンダハル空港がきちんと防衛できるのかという問題が生じてくる。
「アナコンダ作戦」に英国軍部隊が参加していないのは、首都カブールを防衛するための措置だと推測できる。
「ABCニュース」によれば、北部同盟は、今回の「アナコンダ作戦」を、時期尚早で愚かな作戦だと冷ややかに受け止めているという。
(北部同盟は10月〜12月の報奨金をまだ受け取っていないと思われるので、新たな軍事作戦に参加する気はないだろう)
米軍の拠点となっている元カンダハル空港基地は、1000名以上の兵士が「アナコンダ作戦」に参加していることで防御が手薄になっているはずだ。
アフガニスタンの「反米勢力」がどの程度の規模と実力を有しているかは、「アナコンダ作戦」遂行中に、首都カブールの英国軍部隊やカンダハル空港基地の残存米軍部隊にどれだけの攻撃を仕掛けられるかで見極められると考えている。
以前から、米国は、ベトナム戦争と同じように「アフガニスタンで泥沼にはまる」と書き込んできたが、今回の「アナコンダ作戦」で、その泥沼に足を大きく一歩踏み入れたと言えるだろう。
そして、以前から、アフガニスタンでの戦争はこれからが本格的なものになると書き込んできたが、「アフガニスタンは終息した戦いで復興がテーマ」とでたらめな報道を続けたきた日本のメディアは、今回の作戦を「アルカイダ・タリバンの残党掃討」としてしか報道していない。
日本は、実態も目的もわからないまま『新十字軍』に“参戦”し、ずるずると泥沼にはまろうとしている。
北部同盟の信仰心篤きムスリム兵士が、10月〜12月分の報奨金を受け取る前でもすぐにと言いたいが、それまでは静観を決め込み、報奨金を受け取ったらすぐに『新十字軍』撃退の戦いに赴いて欲しい。
それは、ブッシュ政権を中心とした『新十字軍』司令部は、当然のように、北部同盟内の敬虔なムスリムも標的にしているからである。
まずは敵を分断し、分断した一方の勢力を叩きつぶし、その後で、残る勢力のなかの「反米」=敬虔なムスリムを叩きつぶすという戦術を採っているだけである。
『新十字軍』司令部は、できれば、ムスリム同士が戦って殺し合って欲しいと考えているのである。
米国政権は、北部同盟に10月〜12月の報奨金さえ支払わない可能性があると考えている。
『新十字軍』はなかなかの強敵である。犠牲をできるだけ少なく撃退したいならば、分断された勢力が強固なうちに共同戦線を組むべきである。
北部同盟のまともな部隊にも『新十字軍』の火器が向けられる時期が来ることをお忘れなく。
● シャロン政権の「パレスチナ人虐殺妄動」は無関係か
政治的シオニスト強硬派のシャロン政権も、9・11米本土空爆テロ以降の『新十字軍』の主要構成メンバーである。
米国ブッシュ政権とシンクロするだけではなく、裏切り者アラファト議長とシンクロしながら、パレスチナでの「ムスリム大虐殺軍事行動」を展開している。
パレスチナ人は、アラファト議長と「アルアクサ殉教者団」をイスラエルに追放しなければならない。
その後で、犠牲が出るとしても、象徴的な場所での24時間座り込みを交替で敢行し、シオニストへの抵抗運動を継続すべきである。
それで世界が動かないのなら、世界がどんなに腐ったものであるかがわかるはずである。
そして、世界が腐ったものであることは、政府が『新十字軍』に参加している国の人たちにも徐々にわかっていくことになる。
昨年12月以降“イスラエル領内”で行われた自爆テロは、可能性がある1件を除き、シャロン政権の“誘導”によって実行されたものである。
パレスチナ自治区内にある「入植地」や「入植者」に対する攻撃は可能であっても、パレスチナ人が、“イスラエル領内”に自動小銃や強力爆弾を持ち込むことは自力ではまず不可能なのである。(とりわけ、この間のように緊張感が高まっているときは)
イスラエルでの反シャロン政権世論が過半数になった直後(3・2)に起こった正統派ユダヤ教徒居住地域での自爆テロ(9名以上死亡)は、歴史的にずっとムスリムと共存してきた正統派ユダヤ教徒に“衝撃”を与え“憎悪”を煽るために仕掛けられたものと推測する。
ハマスなどもイスラエル政権の黙認のなかで大きくなったものだが、それまで名もそれほど知られず、自爆テロも行っていなかった「アルアクサ殉教者団」が、突然のように自爆テロを開始したことに大きな疑義を抱かざるを得ない。
12・2以降のイスラエルとパレスチナの抗争拡大は、相互報復の拡大によるものではなく、シャロン政権の一方的な軍事行動の拡大であり、それを正当化する手段として“パレスチナ人の自爆テロ”が活用されているのである。
[参照書き込み]
『【ブッシュ政権崩壊への道】ブッシュ政権がアフガニスタンで勝利できない理由』
http://www.asyura.com/sora/bd16/msg/613.html
『【世界は「大宗教戦争」のまっただ中にある】『十字軍』と『魔女裁判』は今なお進行している現実のものである』〈その1〉から〈その3〉まで
http://www.asyura.com/sora/bd16/msg/587.html
http://www.asyura.com/sora/bd16/msg/588.html
http://www.asyura.com/sora/bd16/msg/589.html