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「証人喚問」前の鈴木宗男代議士逮捕はあるのか? 投稿者 あっしら 日時 2002 年 3 月 05 日 14:34:42:

数限りない話題でにぎわいを見せている鈴木代議士の「証人喚問」を、2002年度予算案の衆院での採決前に行うのか、それとも採決後に行うのかで与野党の攻防が続いている。

現状を見ていると、与党が数の論理で、鈴木代議士「証人喚問」を来週月曜日(3・11)に設定し、明日(3・6)には「衆院予算委員会での採決→衆院本会議での採決」を行うという流れのようだ。

以前から、「誤ったデフレ不況対策」に基づく2002年度予算そのものが問題であり、既定法律を執行するための暫定的な予算を与野党合意の上で早期に成立させ、「解散総選挙」を行うべきだと主張してきた。

「鈴木代議士証人喚問」は、そのような突破口になる可能性を秘めたものであり、そのためには、衆院での予算案採決の前に実施されるべきものだと考えている。
2002年度予算を早期成立させることで、「デフレ不況」からの脱却が予算に相当する1年分が遠のくという話ではなく、より不況を深化させてしまうことで脱却への道筋が2,3年余分にかかることになる。

最悪というのか、最善といっていいのか、次のようなストーリーが用意されていれば、鈴木宗男代議士問題は蓋をされてしまうことになる。


1)「証人喚問」を来週月曜日に設定し、3・6に「予算案衆院採決」

2)国会会期中なので、検察庁が国会に逮捕請求を行い国会がそれを認める

3)検察が3・10までに鈴木宗男代議士を“あっせん利得収賄罪”で逮捕

4)逮捕されたことで「証人喚問」はチャラ


これは、現状から、小泉政権・外務省・橋本(青木)派・自民党が“ベスト”に近いシナリオと考えている可能性が高いと思っている。

国会会期中の「議員不逮捕特権」があるので、検察庁は独断で鈴木代議士を逮捕することはできない。しかし、これまでの報道内容で、「逮捕されても当然」という雰囲気は醸成されているので、逮捕請求があれば野党も反対しづらい状況にある。


[鈴木代議士逮捕のメリット]

● 鈴木代議士は“私利私欲だけ”で利権を漁ったわけではない

鈴木氏は、戦後日本の舵を大きく歪んだ方向に切った中曽根氏とは違って、自分の懐を大きくするためにのみ利権を漁ったわけではなく、自民党国会議員や自民党への“資金環流”に大きく貢献している。
私利私欲であれば、やむなく血祭りに上げるということで済むが、野党が新たな“証拠”を突きつけ、自民党そのものと利権の関係、それを“お尻の軽い”鈴木氏が仲介活動という構図が浮かび上がれば、自民党全体が火の粉を浴びることになる。


● 鈴木代議士が外務省を牛耳っていたのではなく外務省が鈴木代議士を巧妙に使った

先日の参考人招致前後から、昨日の「外務省報告書」に代表されるように、外務省は、諸悪の根元を鈴木代議士に仕立てようとしている。
鈴木代議士に関わる調査でありながら、鈴木代議士の言い分をまったく聞かずに、外務省内部の聞き取りだけで調査書をまとめた。

鈴木代議士が外務省で偉そうにできそれなりの利権漁りもできたのは、鈴木氏が最大派閥とお金を盾に自民党外交部会を牛耳る存在だったからである。
外務省の政策や予算は、与党自民党の外交部会の“規制”を受ける。

端的には、外務省は、鈴木氏に自分たちの意向100個を自民党に認めさせる代わりに、鈴木氏の意向2,3個を聞いてやったというものである。

鈴木氏がこの間の“仕打ち”にブチキレて、「証人喚問」で洗いざらいしゃべったりしたものなら、外務省が最大の火の粉を浴びることになる。


● 外務省機密費の官邸上納問題

田中元外務大臣が、小泉首相に「あなたの責任で正すべきもの」としてゲタを預けた外交機密費の官邸上納問題が再燃する可能性がある。
鈴木氏がどこまでそのような事実を知っているかはわからないが、外務省問題が大きく取り沙汰されるようになると、外交機密費問題を放置できなくなる可能性もある。


ご存じかどうかわからないが、橋本派は、検察主流派との関係が深い。
鈴木氏逮捕を絶妙のタイミングで行うことは難しいことではない。
鈴木氏も人身御供になることをいとわないかもしれない。

「証人喚問」に合意しないまま衆院の予算採決前に鈴木氏を逮捕すれば、「証人喚問逃れ」と糾弾され、与野党は激しい攻防戦に突入するだろう。

しかし、「証人喚問」を設定した後での逮捕であれば、鈴木氏問題は司直に手に委ねられたことになり、「犯罪を起こした可能性がある政治家は厳正に捜査されるべき」という筋論で押し切ることもできる。

検察庁が、今回の鈴木問題を国会という“明るみ”のなかでさらすことを妨害し、検察という“密室”で取り調べるというかたちで終息するようば愚挙を犯せば、国民の信頼を大きく失うことになるだろう。

鈴木氏を逮捕するにしても、鈴木氏は逃げも隠れもしないのだから、国会の追求が終わった後でも十分可能である。


鈴木氏問題=外務省問題=自民党問題を国会で明るみにさらすという場が失われることのないよう検察庁の自重を求める。

野党も、検察庁から逮捕請求があっても、「国会で国民に事実を明らかにするほうがより重要なことである」という立場から突っぱねて欲しいものだ。

鈴木宗男代議士に血祭りに上げるだけでは、なんの解決も見ることはできない。
ただ、次の“鈴木宗男”が出てくるだけである。


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