過去の核実験で米国民1万5千人が死亡 米紙報道
1日は、太平洋ビキニ環礁での米国の水爆実験(54年)で第五福竜丸が死の灰(放
射性降下物)を浴びた「ビキニデー」。地上核実験の死の灰で米国内だけで1万500
0人以上ががんで死亡したと、28日付米紙USAトゥデーが伝えた。米疾病対策セン
ター(CDC)と国立がん研究所(NCI)による未公開の研究結果としている。
研究によると、従来知られていたよりもはるかに大量の死の灰が、旧ソ連や米英の核
実験場から届いていた。このため、米ソの核実験が本格化した51年以降、米国に住ん
だ人は全員が死の灰の影響を受け、がんによる死者が少なくとも1万5000人増え
た。さらに2万人以上が死には至らなかったものの、がんにかかったと分析している。
増えたがん死のおよそ4分の3は死の灰による外部被ばくで、残りは死の灰を吸い込
んだり、汚染されたものを飲食したりして起きる内部被ばく。地上での核実験は63年
以降禁止され、死の灰による健康影響は次第に小さくなっているという。
米国内では、ネバダでの核実験による健康被害に対して補償を求める訴訟などが起き
ている。研究はそうした動きに対応したものだ。昨年夏にまとまったが、「厚生省内部
での再検討と同時多発テロの影響」で公表が遅れているという。
(12:24)
http://www.asahi.com/international/update/0301/002.html