(回答先: Re: 『ささやかながら少しはましな経済状況を』 (再掲載) 投稿者 天蓬元帥 日時 2002 年 2 月 27 日 21:00:39)
天蓬元帥さん、初めまして。
政策責任者でもなければ、預言者でもないので、どこまで具体的なレスができるのかという問題がありますが、できる範囲で応えていきたいと思います。
>ところで、企業倒産やリストラなどで失業した人やホームレスに
>ならざる得ない人達は、いつまで「傷み」に耐えなくては
>ならないのでしょうか?
政府が現在のような政策を続けている限り、そのおかしさに多くの人が気づき“反乱”(選挙や直接行動)を起こすまで、「痛み」は続くと思います。
「痛み」に耐えられない人は、最終的には自殺を選択しなければならないと思います。
いつの時代でも、経済的な問題に限った理由ではなく、「痛み」に耐えられずに自殺する人はいますが、ここ数年は増えすぎています。
>農業(林業・漁業)に従事する以外にサービス産業などの規制
>を解消してそちらの方に労働力をシフトできないのでしょうか?
「デフレ不況」を解消するためには、需要を増やさなければ、供給力を増やしてもかえっておかしくなります。
転載していただいた書き込みのトップに農産物の増産を上げたのは、景気回復よりも「食糧自給体制」をつくっていくほうが、日本のことを長期的に考えたとき、より重要だと思ったからです。
いわゆる「規制緩和」は、現在の経済政策を続けている限り、デフレ不況をさらに悪くするだけです。
「規制緩和」ではなく、政府が強力な統制と財政的バックを行えば、デフレ不況を悪くしないでサービス産業などに従事する人を増やすことはできます。
「規制緩和」や農業政策については、別に機会を設けて自分の考えをもっと詳しく説明したいと考えています。
>日本の賃金レベルはどこまで下がれば落ち着くのでしょうか?
賃金が下がれば生産物のコストが下がりますので、その競争力をベースに輸出をどんどん増やしていけば生産活動が活発になっていくので、失業者がある水準まで下がった時点で、労働力の価格である賃金が上昇に転じると思います。
しかし、中国の賃金水準は日本の1/20といわれていますから、そこまで賃金が下がらないと実現できない話かも知れません。(日中間は、様々な商品について今後ますますそういう関係になっていくと思っています)
そして、日本は、食糧や地価が中国よりも10倍くらい高いので、中国の水準までは賃金を下げることができません。
国難であろうともどうせやらないと考えて政策としては書きませんでしたが、「デフレ不況」を解消する“最短”の方法は、“上場”企業の勤労者(役員を除く)の給与を4月から一律10%アップして支給し、そのために不足する資金は取引銀行が取引比率に応じて企業に貸し付けることを国会が法律を定め、行政機構が強制的に行わせることかなと思っています。
そうすれば、価格支配力を持っている上場企業であれば商品価格を上げます。それを通じて、徐々に影響が及び他の商品価格も上昇し、最終的には物価全体がじりじり上がることになります。
そして、物価が上がれば、“非上場”の企業も、1年後かも知れませんが、賃金を上げざるを得なくなります。(上げなければ、政府が強制的に行わせる手だてを構じます)
企業は、本来、商品をできるだけ高く売って利益を増やしたいのですから、そうできる条件を少しでも与えるとそのように動き、物価は上がっていきます。
この場合気をつけなければならないのは輸入の増大です。
外国の企業に輸入を増やすなと言うと角が立ちますから、日本企業にだけ、外国で生産している商品の日本での販売を増やさないようにお願いします。(増やさないようにと言うだけで、減らせとは言いません)
家電製品を中心に中国・マレーシア・タイなどで生産されている輸入商品は、日本企業が現地で生産して輸入して国内生産分と一緒に自社の流通に乗せて販売しているものです。ですから、普段の買い物では外国製か日本製かの区別さえ気にしていないのが現状であり、“コントロール”も利きます。
説明不足があれば、レスをお願いします。