★阿修羅♪  Ψ空耳の丘Ψ17
 ★阿修羅♪
Ψ空耳の丘Ψ17検索
 次へ  前へ
【経済学者のトンデモ理論】 利子率と物価変動の関係  《その2》 − 政策課題の二つの実現方法添付 − 投稿者 あっしら 日時 2002 年 2 月 28 日 19:23:15:

(回答先: 【経済学者のトンデモ理論】 利子率と物価変動の関係  〈参加型アップ〉 投稿者 あっしら 日時 2002 年 2 月 28 日 16:34:27)

■ インフレの抑制

好況になると、経済活動が活発になり、物価は上昇していくものと考えられているが、一概にそう言えるものでないのである。


物価=「通貨供給量×回転数」/「国内販売商品の総量」


この関数式に基づけば、物価が上昇していくのは、分子である「通貨流通量」が増えるか、分母の「国内販売商品の総量」が減少するかである。
生産活動も活発になる好況期であれば、二つ目の理由である「国内販売商品の総量」の減少は考えにくいから、「通貨流通量」が増えたことが原因だと推定できる。

「通貨流通量」が増えるには、「通貨供給量」が増大するか、「回転数」が上がらなければならない。

しかし、好況期であれば、「国内販売商品の総量」も増大しているので、それに見合う割合で「通貨流通量」が増大するのであれば、物価に影響を与えないはずである。

物価関数式に従えば、「国内販売商品の総量」の増大割合よりも、「通貨流通量」の増大が大きいからこそ、物価が上昇するのである。


● 中央銀行が採ってきたインフレ抑制策

インフレを抑制するためには、

まず、

1) 「通貨供給量」を減少させるが、何も説明しない
   (「利子率」上昇にインパクトを与えるため)

2) 「利子率」を多めに上昇させて、「景気が過熱して物価が上がりすぎている」と説明する

これで経済活動が落ち着かなければ、

3) 「通貨供給量」をさらに減少させて、「景気の過熱を冷やすため」と説明する

4) 「利子率」をさらに少し上昇させて、「まだ物価が上がっている」と説明する

以降も、政策課題を達成するまで、3),4)を繰り返す。


これが、歴史的な出来事から推測する中央銀行の課題達成方法ではないかと思われる。

しかし、ここで問題になるのは、「利子率」が本当に物価に関係するものなのかということである。

これまで示してきた物価関数式には、利子率という値はまったく出てきていない。
では、利子率というものは、物価にはまったく関係ないのだろうか。

前述した、米を100Kg買うために10万円を借金した例にあるように、利子率が関係するのは、基本的に通貨を貸し借り人たちの損得に対してだけである。そして、将来の物価が関係することだから、ある意味では結果論である。


● 利子率と通貨に対する需要

利子率が高くなれば、お金を借りようとする人が減り、「通貨流通量」も減少していくのだから、物価が落ち着くはずだと思われる方もいるだろう。

しかし、利子率が高くなればお金を借りる人が減るという理論に何らかの根拠があるのだろうか。

まったくないと思う。

インフレ率が利子率を超えていれば、米の例でもわかるように、お金を借りても得なのである。
好況期であれば、物価が上がってきたことを実感しているから、利子率が1%や2%上がったところで、資金需要は衰えないだろう。

一般の商品の場合、潤沢に供給されていて買い手が少なければ価格は下がり、商品が不足していれば価格は上がることになる。
(価格は需給バランスで決まるという考えの根拠である)
この理論を通貨という商品に適用すれば、通貨という商品に需要が集まれば、その価格と言ってもいい利子率が上がることになる。利子率が上がるということは、通貨に対する需要が増大したからでなければならない。

このように、利子率が上がると資金需要は減少するという理屈は、まったく理に合わないものなのである。


● 利子率変動と物価変動

では、利子率は物価にはまったく関係しないのであろうか。

利子率は物価に関係するものであり、驚くことに、中央銀行の政策課題とは全く逆の方向に寄与するものである。
中央銀行はインフレを抑制するために利子率を上昇させたが、利子率の上昇は、インフレをさらに進める政策なのである。

自分が産業家になってみればわかることだが、上がった利子率で通貨を借りて、原材料・機械設備・労働力を購入する。借りたお金以外は前回と買ったときと同じ価格だったとすれば、コストの変動に影響するものはなんだろうか。

そう、借りたお金の利子である。増えた利子の分がコスト上昇要因となる。そうであれば、前回と同じ利益を上げようとすれば、生産した商品の価格をそれなりに上げなければ実現できないことになる。
産業家がみな同じように借金して生産していれば、みんなが同じ条件なのだから、商品価格をスムーズに上げることはできるはずだ。

このようにして、インフレが進むことになる。

産業家ではなく勤労者であっても同じである。自動車を買うための金利が上がったとしても、それはインフレになる金融政策だからと“正常”に判断して、それならば給与も上がるはずだから今買っておこうと考えるだろう。

金利生活者も、受取利息が増えるので、それほど困るということはないだろう。
困るのは、物価連動になっていない年金生活者である。


「じ」さんのレスを拝読したが、「デフレ不況」という日本の現状でのんきにインフレ対策を考えているのは確かに問題だから、デフレと利子率の問題を簡単に触れたい。
インフレを先に提示したのは、インフレは制御しやすい事象だとみんなが考え、デフレはこの間の日本の実状をみて制御しにくい事象だと考えていると判断したからからである。

ここまで読めば、ひょっとしたら、「低金利」は物価を下げる働きをする政策ではないかと考えたかもしれない。
(ひょっとどころではなく、とっくに考えてますよと叱られる流れだが(笑))

まさにその通りで、下がった利子の分がコスト下落要因となり、前回と同じ利益を上げればよいのなら、生産した商品の価格を下げてもいいのである。
産業家がみな同じように借金して生産していれば、みんなが同じ条件なのだから、「バスに乗り遅れないよう」に競って商品価格を下げることになる。
(不況期で需要が不足気味であれば、よりいっそう価格下落競争が熾烈になる)


[私のインフレ抑制政策]

まず、

1) 「通貨供給量」を減少させて、「物価が高いから」と説明する

2) 「利子率」を下落させて、「物価が上がりすぎている」と説明する

これで物価が下がらなければ、

3) 「通貨供給量」をさらに減少させて、「物価がまだ高いから」と説明する

4) 「利子率」をさらに下落させて、「まだ物価が高いから」と説明する

以降も、課題を達成するまで、3),4)を繰り返す。

物価が下がっていけば、現在の日本と同じように、経済活動は抑えられることになる。


このように、日本の政府・日銀は、経済論理にまったく逆らった「低金利政策」を採り続けて、デフレを進め不況を深刻化しているのである。

前日アップした「資産価格下落防止政策」や「不良債権早期処理政策」もそうだが、日本の政府が、デフレをさらに進め、不況をより一層悪くする政策しか採ってきていないのだから、「デフレ不況」が長期化しさらに悪化してきたのは当然の理屈である。


後ほど、なぜ、誤った政策を中央銀行が採るのかを説明した内容をアップします。

 次へ  前へ



フォローアップ:

全★阿修羅♪=

 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。