02/28 16:25 「資源の宝庫」拡大へ 大陸棚、海保の調査で判明 社会64
共同
小笠原諸島周辺などの太平洋にある海底部分六カ所が、日本の大
陸棚として新たに国際承認される可能性が高まっている。海上保安
庁の調査で承認の条件を満たしていることが分かった。
大陸棚は貴重な鉱物のマンガンやコバルトをはじめとする「資源
の宝庫」で、六カ所の総面積は日本列島の一・七倍に当たる約六十
五万平方キロに及ぶ。
保安庁は「世界各地の事例から考えても、今後多くの資源が発見
されるのではないか」と期待、測量船二隻で調査を続けている。
大陸棚は「水深二○○メートルまで」などとされていたが、一九
八二年に成立し、九四年に発効した国連海洋法条約は海岸の基本線
(干潮時)から二百カイリ(約三百七十キロ)まで、と変更した。
国連の専門委員会はさらに、二百カイリを超える沖合でも「陸地
から土砂が流れ込み、一定の厚さまで堆積(たいせき)した地点ま
で」など、地続き状態となっている海底を大陸棚として承認するこ
とを決めた。
承認するため、二○○九年五月までに科学的な調査資料の提出を
求めており、保安庁は同法成立の翌年(八三年)から調査を開始。
小笠原諸島の東側や西側などで、条件を満たす海底が六カ所あるこ
とを確認した。
調査は、測量船から超音波を海底に向け発信、跳ね返ってくる時
間差で海底の地形をとらえるほか、地質構造なども確認している。
これまでに対象海域の93%で基本調査を終えており、○二年度
中には完了する。提出資料作成のため精密な測量も同年度中に始め
る予定だ。
(了) 020228 1624
[2002-02-28-16:25]