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Re: どの銀行貸付も預金を創造する。またどのような銀行貸付 投稿者 あぼーん3世 日時 2002 年 2 月 24 日 22:14:48:

(回答先: Re: どの銀行貸付も預金を創造する。またどのような銀行貸付 投稿者 あぼーん3世 日時 2002 年 2 月 24 日 17:43:38)

学校で習った勉強はたいがい役に立たないよ、なんて言葉を聞きます。たぶん、そうなんでしょうね。私もそう思うときがありますから。

 満員電車に揺られていると、小学生向けの、学習塾の問題なんかが電車の広告に出ているのが目に止まることがあります。ちょっと考えてみるんですが、まるでクイズです。う〜ん、わからんなと。世の中が、少しずつ学歴社会じゃあなくなってきているのに、あい変わらず高学歴が幸せにつながっていると信じているひとも多いんですね。子供は迷惑かもしれません。学校で勉強した上に、塾では、こんなクイズみたいのばかり勉強させられるなんて。きっと大人になったら学校ででも塾ででも、勉強したことは全て忘れちゃうんでしょうね。それが健全さというものでしょう。

 でも意外と思い出すと役に立つこともあるんですよ。

 たとえば私たちは意外と、いまの社会でどういうお金の計算が立っているか忘れているんですね。例えば利息(りそく)です。お金の貸し借りに利息がつく社会に生きているのに、ほとんどの人がこれを気に掛けていないみたいです。でも、ちょっと復習してみましょう。

プラスの利息で計算が立っている

 利息には単利(たんり)と複利(ふくり)があります。そこで、ほんとは単利から扱うべきですが、(単利は短い期間の貸付などで採用されることが多いです)複利という比較的長い期間の貸付のとき採用されることが多い計算のたてかたをちょっと取り上げてみましょう。

 借りたお金(元本:がんぽん)には利息が付きます。月利といえば、1か月借りたときいくら利息が付くか、年利といえば1年間借りたときどれくらい利息がつくかを示していますね。

 複利っていうのは、利息の元本への組み入れという考えに基づいてます(単利はこの組み入れをしません)。こうした考え方そのものが問題なんですけど、この世の誰のアタマのなかをも支配している考え方のひとつです。ですからぜひとも復習しておきましょう。

さあ、ここから算数の勉強ですよ。

 1000円を年利10%で貸し付けたとします。第一年の終わりに単利で100円つきますね。そこで、第二年の始まりには、当初資金が1100円になるっていうわけです。第二年の終わりに単利で計算しますと、利率は10%ですから、利息分は110円ですね。これが元本に組み入れられますから、第三年の始まりには資金額は1210円となります。

 同様にして、1210円+121円=1321円、

 1321円+132.1円=1453.1円・・・・

 つまり、

  第一年      第二年    第三年    第四年  ・・・・・

  1100    1210   1321   1453.1

(単利の場合は)

1000+1000*10*3/100=1300円

(ここで*は掛けるの意味、/は割るの意味です)

つまり複利の基本は毎年の利子の元本組み入れにあるわけです。

 そこで

C を円で表現した貸付額

n を貸付期間で、年で表現する

i を一年間の円でみた利子率(例えば、年利8%はi = 0.08)

そーすると(あっと、^は続く文字が上付き添え字、_は下付添え字の意味です)

年   年初資本額   年利   年末の年利分の元本

                     組み入れ後の価額

1 C Ci C+Ci

2 C(1+i) C(1+i)i C(1+i) + C(1+i)i = C(1+i)^2

3 C(1+i)^2 C(1+i)^2i    C(1+i)^2 + C(1+i)^2i = C(1+i)^3

.

.

.

n-1   C(1+i)^n-2   C(1+i)^n-2 i  C(1+i)^n-2 + C(1+i)^n-2 i = C(1+i)^n-1

n   C(1+i)^n-1 C(1+i)^n-1 i  C(1+i)^n-1 + C(1+i)^n-1 i = C(1+i)^n

したがって複利で貸付けた額Cのn年後の価額C_nは

C_n = C(1+i)^n

ということになるわけ。

 ところでここに4点ほど注目すべきことがあるんです。

4つのポイントはこれ

 1、複利での利付き貸付でカネがどれだけ増えるか

C_n = C(1 + i)^n

で表しましたが、これ年利で考えてました。もちろん年利以外もあるんですよ。

 例えば月利なら、毎月末に、利息の元本組み込み(利子の資本への合体)が起こります。なんとまー すごいでしょ。

 2、上記右辺は幾何級数的に増加する。

 3、利子も年々、幾何級数的に増加する。

 4、貸し付けることで手に入った価値は

C_n - C = C[(1 + i)^n - 1]

で、これが利子総額です。利息が元本に組み入れられていく仕組みって借り入れた者からみると実に過酷でしょう。複利のインチキでいかに利息部分がふくらむか考えてみてください。これ私たちの社会で実際に立っている計算なんですよ。

 えっこういう式は難しいですか。じゃあ、こうしましょう。

実際の計算練習をしてみましょー。

<問題>5万円を年利9%複利で7年間貸し付けたとすると7年後にいくらカネがはいるか・・・

C_7 = 50000 * (1 + 0.09)^7

= 50000 * 1.09^7

= 50000 *1828039 = 91401.95

ヤッタネー。9万円を超えました・・・

 でも、前、話した、ケインズの椅子取りゲームのこと思いだしてください(あるいは「お金と社会をとらえ直す」を読んでね)。

91401.95 - 50000.00 = 41401.95

41401.95円は社会から取り去られているんです。つまりだれかが負担させられてます。うまいぐあいに君が椅子に座れたにしても、誰かが座れなくなってこけているわけでしたね。

 C_nのnを50年とか100年にしてみてください。手で計算しないでくださいよ、日が暮れてしまいます。関数電卓でも表示しきれない金額になるかな。

 私たちの社会は、誰かが苦労して作りだした値打ちが、利息というお金を持っている人の懐に入っていってしまう仕組みになっているんですね。

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