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※2021年2月5日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大
※2021年2月5日 日刊ゲンダイ2面
【さながら戦前並みの情報統制】
— 笑い茸 (@gnXrZU3AtDTzsZo) February 6, 2021
五輪報道 マトモな発信は海外ばかり
日刊ゲンダイ pic.twitter.com/j6Xh4al9u9
※文字起こし
すごく嫌なモノを見てしまった。4日、女性蔑視発言を撤回、謝罪した東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長。あまりに醜悪な会見に目をそらした人も多いだろう。
「五輪・パラ精神に反する不適切な表現だった」と認めたものの、どう見ても反省の色なし。「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などの発言は、「そういう話はよく聞く」とする各競技団体から「引用した」と言い張った。
団体名を聞かれると「それは言えません」と明言を避け、根拠はあるのかと聞かれると「さあ、僕はそういうこと言う人は、どういう根拠でおっしゃったか分かりませんけど」とはぐらかす。とはいえ、公の場でそんな愚かな意見を無批判に紹介すれば、森も同意見とみなされて当然。発言の責任を棚に上げ、匿名の誰かに押しつけるようで見るに堪えない。
森は「誤解を生んではいけないので撤回します」と堂々と言い放ったが、誰も誤解はしていない。3日のJOC臨時評議員会で飛び出した「女性理事を選ぶっていうのは文科省がうるさく言う」「女性っていうのは競争意識が強い。誰か一人が手を挙げて言われると、自分も言わないといけないと思うんでしょうね」などの暴言は、偏見に満ちた明確な女性差別だ。話が長いとか、競争意識があるかないかは、性別とは無関係である。
評議員会で森は「(組織委の女性理事7人は)みんなわきまえておられ(る)」とも言ったが、意見されるのが面白くなく、「女性は主張しない方がいい」という価値観を持っていることの裏返し。国際的な女性参画の流れに逆行し、時代とかけ離れすぎた恥ずかしい感覚にはア然とする。
語るほど日本の国際信用を貶める
日本社会として、このような価値観の持ち主を責任ある地位に置いているのはマズイ。ましてや五輪は全世界注視の国際イベントだ。森は潔く身を引くべきだが、「辞任の考えはない」とキッパリ否定。会見終盤にTBSラジオの記者が差別発言の詳細な認識を問うと、「そういう話は聞きたくない!」「面白おかしくしたいから聞いてるんだろ!」と声を荒らげ、逆ギレする始末だ。
森は謝罪を口にしながら一度も頭を下げず、「謙虚」を連呼するも終始エラソーな態度。たった20分ほどで会見を一方的に打ち切り、苦々しい表情で会場を後にした。これでは国際社会に対する日本の信用をますます貶めただけである。
結局、森は米ニューヨーク・タイムズやロイター通信など海外の主要メディアから一斉に「性差別」「時代遅れ」などの批判が噴出したから、嫌々会見を開いただけ。上っ面の謝罪に過ぎず、腹の底では「何が悪い」と思っているに違いない。
森はニヤニヤと「皆さんが邪魔だと言われれば、老害が粗大ごみになったのだから、掃いてもらえればいい」と語ったが、「既に国民は皆、邪魔だと思っています」と言うのは、高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)だ。こう続ける。
「自身の年齢を“自虐ネタ”にし、時代遅れの感覚を高齢のせいにしようとする。あわよくば“老人イジメ”の構図をつくり、追及を免れたいのでしょうが、性差別発言に年齢は関係ありません。20代でも30代でも差別発言の罪は同じ。欧米では『#MeToo運動』以降、性差別発言は即アウトで、ほぼ犯罪者同然。海外メディアは森会長を『セクシスト(性差別主義者)』と表現し、会議の場で発言に異論を唱えず笑っていたJOCの評議員も共犯扱いです。なのに、日本メディアは森発言を女性蔑視『とも取れる』、性差別『的』とゴマカし、逃げを打つ。ハッキリ『女性蔑視』『性差別』と報じなければ、国際社会から犯罪行為を許す『共犯者』とみなされることになります」
性差別主義者の罪を許す共犯関係 |
実際、森とメディアはまるで共犯関係のようだ。4日の会見には本紙記者も参加したが、気になったのは大手メディアのへりくだった態度。記者は常に「下から目線」で懇切丁寧に森に質問し、性差別主義者をうやうやしげに扱う。
NHKの記者に至っては質問前に「お疲れさまです」とねぎらい、記者が名乗ると、森は「よく知っています」と身内に接するかのよう。大手メディアはさも「会長の気分を損ねてはいけない」との空気に支配されているように感じた。
「取材対象に嫌われるとネタが取れなくなる。そんな記者クラブメディアの悪しき風習が目につく会見でした。恐らくメディアも森会長と同じ気分で、海外メディアの反響が大きいから、仕方なく会見に付き合ったというのが本音でしょう」(五野井郁夫氏=前出)
ただでさえ、取材対象に忖度しがちな上、大手紙のほぼ全てが五輪スポンサーに名を連ねる異常事態だ。組織委が「1業種1社」のスポンサーシップの原則を撤廃し、五輪史上最高の協賛金をせしめた結果である。
だから、五輪報道のマトモな発信は海外メディアばかりとなる。多くの国々がコロナ変異株の脅威にさらされ、開催都市の東京も緊急事態宣言下にある。ワクチン接種も、日本はG7で唯一開始できず、大会中の医療スタッフ1万人確保のメドは一向に立たない。
約200の国と地域から1万数千人に及ぶ見通しの選手は、本当に来日できるのか。重要課題は五里霧中で、誰がどう見ても五輪はできっこないのに、大メディアは沈黙。日本にいながら、今夏の開催に8割が反対する世論に応えようとしない。ひたすら「コロナがどういう形であろうと必ずやる」「やるか、やらないか、という議論ではなく、どうやるか」という森のとんちんかんな主張をタレ流すのみだ。
「五輪組織委が、東京に巨大な中指をおっ立ててみせた」とカミついたのは、日本に呆れる海外メディアだけ。森の放言に抗議し、聖火ランナーを辞退したロンブー淳の方が、よほど立派に思えてくる。
日本にいながら真相を知らされない異様
森は「報酬をもらっているわけじゃない」「最後のご奉公」と強調するが、招致活動を巡る怪しいカネの疑惑もある。ロイター通信は昨年3月、森がトップを務める一般財団法人「嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター」に、大会招致委から約1億4500万円の使途不明金が支払われていたと報じた。
ロイターの記者は昨年11月、IOCのバッハ会長来日時の会見で森に「何のために使ったのか」とぶつけたが、森は「財務に直接関与していない」として事実上の回答拒否。このやりとりを一切、無視したのも日本のメディアで、疑惑の財団は昨年末に「活動を終えた」としてドロンだ。元NHK政治部記者で評論家の川崎泰資氏はこう言った。
「先月、英紙タイムズが『与党幹部』の話として、新型コロナの影響で『日本政府が中止せざるを得ないと内々で結論付けた』とスッパ抜いたのが象徴的です。今や国民は海外報道でしか、自国開催の五輪の状況を正確に把握できない。さながら戦前並みの情報統制です。そもそも、復興五輪のマヤカシをはじめ、買収同然の裏金招致疑惑や、『コンパクトな大会』をうたいながら3兆円に膨らんだ大会経費に消える巨額の税金の使い道など、国内発の独自報道は皆無です。五輪開催が唯一の政権浮揚策である政権の思惑も伝えっぱなし。菅首相に遠慮して『まん延防止措置』なるマヤカシ策まで用意し、形ばかりの宣言解除を急ぎ、無謀な五輪に固執する政治的保身を批判しない。つくづく日本のメディアは堕落しました。森会長と同様『日本の恥』です」
性差別主義者のクビを取れずに屈するようでは、日本の大メディアは今や世界の鼻つまみ者である。
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