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米中関係が激しく緊迫する中、日本も傍観者ではいられない 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/284799
2021/02/05 日刊ゲンダイ
沖縄県の米空軍嘉手納基地で訓練を行うF15戦闘機(C)共同通信社
米国のバイデン政権はほぼすべての分野で「脱トランプ」を図っているが、トランプ前大統領と、バイデン大統領が一致しているところがある。それは激しい中国批判である。
サリバン大統領補佐官は中国に対し、「新疆ウイグル自治区や香港での振る舞いや、台湾への敵意や脅迫への対価を払わせ、行動をとる準備をすべきだ」と発言。サキ大統領報道官も「ここ数年中国は国内でより権威主義的になり、国外ではより自己主張を強めている。中国政府は安全保障、繁栄、価値観で大きな挑戦を挑んでおり、我々も新たなアプローチが必要だ」と述べている。
米中の対立構造は、貿易、技術、人権、金融、疫病(コロナ)、外交、軍事の全分野に拡大している。
なぜ、こうした緊張が起こっているのか。これは単に貿易、技術、人権、金融等の個別問題が先鋭化したのではない。もっと根本的なものだ。
米国は、中国の経済が量、質で米国を凌駕し、それは外交、軍事の分野に波及すると考え、それを抑える時は今しかないとみている。
私はこうした事実をツイートやブログで発信しているが、これに対し、「米中で戦わせればいいではないか。漁夫の利を得ればいい」との意見がある。しかし、事態はそのように展開しない。
サキ報道官は「同盟国などと協議する」と言い、サリバン補佐官は「日米と豪州、インドの4カ国で構成されるクワッドによる協力は米政策の基礎となる」としている。つまり、日本も米国の対中強硬路線の核として位置付けられることになる。
台湾もまた、米国の対中強硬路線の核になる。米国は1979年に中国と国交を樹立した際に台湾との関係が絶たれてしまった。しかし、バイデン大統領の就任式に台湾の駐米代表にあたる蕭美琴氏が出席した。これは断交以来初めてである。
これに対抗し、中国軍機が編隊を組み、1月23日に13機、24日に15機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入した。
もし、米軍機が台湾支援に向かうとすれば、それは沖縄の嘉手納基地からである。日本は台湾を巡る緊張で傍観者ではあり得ない。
日本が今後も持続的な経済発展を求めるのであれば、中国との協力関係なしではあり得ない。米中関係の情勢を厳しく見つめ、冷静にかつ的確な政策を考える時が来ている。
孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。
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