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2.7宣言解除なら「国内コロナ死者2万人増」米データの衝撃
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2021/01/30 日刊ゲンダイ
「1カ月で絶対阻止」はハナから無理(C)日刊ゲンダイ
新型コロナウイルスの感染収束は見通せないが、緊急事態宣言の期限まで1週間あまりとなった。政府は「専門家の判断をいただいて、今後の対応を判断したい」(コロナ担当の西村経済再生相)と繰り返しているが、宣言延長は不可避の情勢だ。2週間、あるいは3月末まで、丸々1カ月間延長など、さまざまな案が浮上する中、米国の研究所がショッキングな数字をはじき出した。
◇ ◇ ◇
新型コロナ感染による日本国内の死者(29日現在5597人)は、5月1日までに2万3957人に達する――。こんな予測を28日に公表したのは、世界各国の感染データをまとめている米ワシントン大医学部の保健指標評価研究所(IHME)。ワクチン接種した人の移動がパンデミック以前の水準に戻る「最悪の場合」との条件付きではあるものの、社会活動が正常化した場合、この先3カ月で2万人近い死者が出るということだ。
IHMEは他にも、同期間の死者数を3パターンに分けて予測。変異ウイルスの南アフリカ型が世界中に広がり、英国型が特定の地域で広がり続ける「変異株が急速に広がる場合」は1万6958人。90日にわたってワクチン接種が進み、英国型が特定の地域で広がり続ける「現状の場合」は1万5224人。さらに、95%の人が公衆でマスクを着ける「マスク着用の場合」ですら1万4670人に達するという。
過去1年の13倍のハイペース
国内のコロナ死者がどれくらいのペースで増えてきたかを踏まえると、予測に基づく死者数の増加は超ハイペースだ。1000人に達したのが昨年7月末で、2000人超えが約4カ月後の11月末。そこから1カ月で3000人、2週間余りで4000人、さらに2週間後に5000人を突破した。
ただでさえペースは加速しているのに、3カ月で1万〜2万人も死者が増えたら、目も当てられない大惨事である。政府は新規感染者数が減少傾向にある地域を念頭に「段階的に解除する」との方針を打ち出しているが、「解除ありき」でコトにあたる余裕なんてないはずだ。
西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)がこう言う。
「IHMEの数字は現実的な数字だと思います。そもそも、今月7日の宣言発令時に、一体誰が1カ月で解除できると考えたでしょう。最初から無理な話だったのです。それなのに『1カ月で感染拡大を絶対に阻止する』と大見えを切った揚げ句、今は3週間か1カ月か、さして変わらない期間の延長を議論している。失政だとしか言いようがありません。こんなことなら、初めから宣言の期間を2カ月程度にして、総理が『状況が改善したら私の責任で解除する』と表明していればよかったのです」
変異株による「第4波」も懸念材料だ。ここで気を緩めたら、とんでもない春を迎えることになる。
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