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菅首相は逃げの一手 “8割おじさん”西浦氏の予算委出席拒否
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/284372
2021/01/26 日刊ゲンダイ
かっては全面信頼、いまや菅政権にとって”煙たい存在”(京大の西浦博教授)/(C)日刊ゲンダイ
25日開かれた衆院予算委員会で、立憲民主党の長妻昭議員が、菅首相と自民党に対して抗議する場面があった。政府の新型コロナウイルス対策をめぐって、予算委に京都大教授の西浦博氏(理論疫学)の出席を求めたのに、自民党が「ブロック」したというのだ。
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「民間人は呼ばない」というのが理由。しかし、コロナ第1波の際に人との接触を8割減らすことを求め、「8割おじさん」として名を馳せた西浦氏は現在も厚労省のアドバイザリーボードの指名委員を務めている。純粋な「民間人」にはあたらず、拒否の理由は通らない。
長妻議員は「都合の悪い方は呼ばないというのはあってはならない」「科学的に議論する姿勢が感じられない」と非難していたが、一体、どういう事情なのか。長妻議員にあらためて聞いた。
「西浦氏が今月13日のアドバイザリーボードに提出した資料について、予算委で議論しようと思っていました。緊急事態宣言の解除基準について、西村大臣は『東京で新規感染者が1日に500人を下回ることが目安になる』としましたが、西浦氏は『(2月に)500人で解除したら、4月14日には感染が元のレベルに戻ってしまう』と試算しています。資料は厚労省からもらったものなのに、なぜ拒否するのか」
昨年春の緊急事態宣言時には、安倍前首相が「専門家の試算では、人と人との接触機会を『最低7割、極力8割』削減することができれば、2週間後には感染者を減少に転じさせることができる」と幾度も訴え、西浦氏の試算に乗っかっていた。だが、いまや菅政権にとって西浦氏は“煙たい存在”らしい。
実際、西浦氏は週刊文春(1月14日号)で、<緊急事態宣言の判断が遅かった><(変異種対策について)ビジネス往来を継続したのは生ぬるい>と批判。<安倍政権の頃と比較しても、感染症対策に関する専門家の意見が総理へと簡単には通らなくなっているかも知れません>ともこぼしている。前出の長妻議員が言う。
「普通なら西浦氏を拒否しませんよ。呼ばなければ、あること、ないこと言われますから。スキャンダルでもないのに。今の自民党には、そういう判断すらできる人がいないのでしょうか」
26日の予算委にも野党議員が西浦氏を呼ぼうとしたが、自民党が拒否したという。内閣支持率下落が止まらない菅政権には、逃げの一手しかないのか。
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